親の離婚は、子どもの心の成長に様々な影響を与えます。子どものために仮面夫婦を続けるという選択肢もありますが、それにも良い面と悪い面があります。夫婦で話合って離婚を決断したならば、親の離婚が子どもに与える影響を知り、離婚の事実を子どもへ伝えるときには、最大限の配慮をしたいものです。

◆親の離婚が子どもに与える影響

親の離婚が子どもに与える影響には、良い影響と悪い影響の両方があります。

◇親の離婚が子どもに与える10の悪影響

親の離婚は、子どもに大きなストレスを与えます。一番大きなストレスは、“愛情”に関するストレスです。

①捨てられる恐怖を感じる

②両親間の敵意を感じ、孤独感を深める

➂愛情に疑問をもち、友達や持ち物への愛着が薄れる

子どもは、両親の離婚の原因を自分にあると考えてしまいがちです。両親が不仲で、喧嘩などが耐えなかった場合、“愛情”に懐疑的な気持ちも抱くようになります。そして愛情の少ない環境で育った子どもは、

④精神病になる可能性が高くなる

⑤喫煙率や、アルコール依存など、なんらかの依存症になる可能性が高い

⑥老化現象が早くなる

これらのような、精神的・身体的な影響を受けやすくなります。また、生活面においても、離婚によって様々な変化が生じます。

➆転校や苗字の変化により、学校での自分の環境が変わる

⑧専業主婦だった母親が働きに出るなど、家での生活スタイルが変化する

➈学業に集中できず、成績や社会的地位が落ちる

⑩結婚後の離婚率が高くなる

このように、親の離婚が子どもに与える悪い影響は大きく、子どものその後の成長にも関わってきます。しかし、悪い影響ばかりでもありません。

◇親の離婚が子どもに与えるよい影響

それまで雰囲気の悪かった家庭内が、離婚によって明るさを取り戻す場合もあります。また、離婚までや、離婚してからの親の辛い様子を真近で見てきた子どもは、大好きな親のために、何か自分にできることをしたいと思う気持ちが大きくなります。その結果、両親と子どもの絆がより深まることもあります。

これは、同居している親子間だけでなく、離婚によって離れて暮らすようになった親子間にとっても同様です。離婚をしても、子どもにとってはかけがえのない両親ですから、その思いは強く、思いやりのある子どもに成長します。

また、子どもにとっての親の離婚は、ストレスの大変大きな出来事で、精神的に影響を受けるだけでなく、転校や苗字の変化によって、家庭外の生活でも離婚の影響を受けます。しかし、そういった経験をすることで、少しのことではへこんだりしない、強い気持ちを持つ子どもに成長するきっかけにもなります。

・家庭の雰囲気が明るくなる

・親に対する思いやりが大きくなり、両親との絆が深まる

・打たれ強くなる

◆親の離婚を子どもに伝えるときの留意点

◇親の離婚について、子どもにもきちんと説明をするべき

公益社団法人家庭問題情報センターによる「離婚した親と子どもの声を聴く」というアンケート調査によると、親の離婚についてちゃんと説明をしてほしかったと声を寄せる子どもたちが多くいました。

親の離婚について、子どもには多くを語らないほうがよいと考える家庭もありますが、むしろ、子どもにもよく分かるような言葉で、親から直接、丁寧に説明してあげることが大切です。両親が決めたことではありますが、子どものその家族の一員であり、離婚による影響を受けます。子どもは、きちんとした説明を受けて然るべき家族の一員なのです。

◇親の離婚を子どもに伝えるときに大切なこと

しかし、親の離婚は子どもにとってもとても大きな物事のため、伝えるときには最大限の配慮が必要です。

特に、

・離婚は子どものせいではないこと

・離婚をしても、子どもへの愛情は変わらないこと

・相手の配偶者のことを悪く言わないこと

を子どもに伝えることが重要です。

子どもは両親のどちらもを愛し、どちらもから愛されたいと思っています。その愛情がこれからも変わらないこと、子どもの愛する両親が離婚をするのは、子どものせいではないことをしっかりと伝えることが大切です。

また、「お父さんは病気で死んでしまった。」「お仕事で海外に行くからこれからは一緒にいない。」などと、子どもに嘘をついて説明をすることは、あまりよくありません。子どもは、親が思っている以上に、周囲の様々なことを感じ取っています。親が嘘をついていることが子どもに何となく気付かれてしまえば、その後の親子の信頼関係にも影響します。

また、嘘をついたときは子どもが幼く、たとえその嘘が気付かれていなかったとしても、いずれ子どもが成長したときにその事実を知った場合は、子どもはさらに傷付くことになります。離婚の真実は、子どもに分かるような言葉で説明をすることが大切です。

◆離婚をしない選択肢=「仮面夫婦」が子どもに与える影響

◇「仮面夫婦」を選択するメリット

金銭的な問題や、子どもの受験や学校での様子など生活面においての影響を考えて、子どもが大きくなるまでは夫婦関係を続けようとする夫婦も多くいます。このような場合は、子どもが金銭面の問題によって、習い事や進学を諦めるということもなくなりますし、転校や苗字が変わることなどの環境面の変化も、子どもの多感期などにおいては、避けることができます。

特に、子どもが成人してからの離婚の場合は、法律的に親権者が必要でなくなるため、子どもがどちらかの親を選ばなければならないというストレスを感じなくて済みます。しか、子どもは、冷え切った夫婦関係を敏感に感じます。子どものためを思って、仮面夫婦を続けたつもりが、かえって子どもの負担となることもあります。

◇「仮面夫婦」を選択するデメリット

こうした仮面夫婦の間で成長した子どもは、自分の顔色を表に出さず、相手の顔色を伺うことが癖になる大人になります。幼い頃に両親が不仲な様子を傍で見てきた子どもは、自ずと「自分のせいで両親の仲が悪いのだ。」と思うようになります。そのため、不必要に自分を責めるようになり、成長して他人とコミュニケーションをとるときも、自分の感情を表に出すのが苦手な大人になってしまうのです。

離婚が子どもに与える影響は大きいため、「仮面夫婦」を演じることも時には必要なときがあります。自分たちの家族の状況や、これからの家族一人ひとりのために、一番大切なことはなにかを考え、選択をすることが大切です。

しかし、DⅤなどの被害にあっている場合は、自分と子どもの身を守るためにも、早急に離婚を決断することが必要です。