子どもは、産まれてから成人を迎えるまでに、身体的にも精神的にも様々な成長をします。それぞれの成長の変化には、それぞれのタイミングがあります。その変化のタイミングを見逃さずに、大人が子どもの成長に対して適切な支援することが、子どもの成長にとってはとても大切なことです。

◆子どもの身体的な変化

子どもの身体は急激な速度で、約20年の間に大きく成長します。特にスポーツの監督者などは、この子どもの身体的な成長の変化のタイミングについて熟知し、それに応じたスポーツ指導をすることが求められています。

〇身長の変化からみる子どもの発育環境

子どもの身長は、両親の身長から予測することができます。以下の式に当てはめて計算した数値が、子どもの予測身長と定義されています。

男子= (両親の身長の合計+13)÷2+2

女子= (両親の身長の合計−13)÷2+2

しかしこの式による数値よりも、身長が高い人も、低い人もいると思います。これは、身長が大幅に伸びる時期とされる「成長スパート」という時期の過ごし方に、子どもの身長の伸びは影響を受けるからです。

〇身長の変化のタイミング「成長スパート」

子どもの身長が大きく変化するタイミングは、2回あります。1回目は、第一次成長期と呼ばれる「新生児~4歳頃」までの時期です。

約50㎝で産まれた赤ちゃんは、約1年で70~80㎝と身長が大きく伸びます。さらに、4歳を迎える頃には平均で100㎝ほどになり、新生児で産まれたときよりも、2倍近く身長が伸びます。

この次に、大きな身長の変化のタイミングとなるのが、精神的にも思春期を迎える時期と重なる、第二次成長期です。この時期は、「男子で13歳頃・女子で11歳頃」に該当すると言われています。この時期には、身長の変化だけでなく、男子はひげが生えてきたり、女子は胸が目立ってくるなどの身体的変化も現れます。

この第二次成長期のことを、「成長スパート」とも呼び、男子は10~12㎝、女子は8㎝ほど平均して身長が伸びる時期です。「成長スパート」の時期を超えると、その後の身長はあまり変化しないと言われており、子どもの身長変化の最後の大きなタイミングがこの「成長スパート」と呼ばれる時期に当たります。

〇「成長スパート」に気をつけたいこと

先ほど身長予測について述べましたが、この「成長スパート」の時期に、どういった過ごし方をするかが、身長予測より身長が高くなるか、低くなるかの大きな要因になります。

身長を伸ばしたいときに、気をつけたいことは、「睡眠」「栄養」そして、「ストレス」です。11~13歳頃は、ちょうど小学校6年生~中学校2年生の頃にあたります。部活動や勉強、自分の趣味などに忙しい子どもたちは、ついつい夜更かしをしてしまいがちです。しかし、この時期に十分な睡眠をとることはとても大切です。

また、食べ物も大切です。できるだけ栄養のあるものをたくさん食べること、好き嫌いをあまり言わずに食べることが身長の変化にも関わります。そして、思春期のタイミングで、色々と悩みもつきない時期ですが、あまりストレスをため込まないことも大切です。

〇「スキャモンの発達・発育曲線」

身体的な子どもの成長の変化は、「スキャモンの発達・発育曲線」というグラフでみることができます。一般型、神経型、リンパ系型、生殖器系型の4つの型に分かれ、それぞれの変化のタイミングが異なるため、それぞれの発育の変化のタイミングを知り、その時期に合わせた身体的トレーニングをすることで、子どもの身体能力をさらに伸ばすことができます。

 

①一般型:身長や体格、臓器などの成長

0~4歳頃までと、思春期に大きく変化する。

②神経型:身体的能力の器用さやリズム感などの運動神経の成長

5歳までに約80%、12歳までにほぼ100%の成長をする。特に10~12歳は、「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、スポーツなどの身体的技術の習得をするためにベストの時期。

➂リンパ系型:免疫力の成長

産まれてから12歳頃までが、リンパ節や扁桃腺などの免疫力が発育される時期で、12歳以降は下降傾向になる。

④生殖器型:性別ごとの身体の変化

14歳頃以降、変化が現れる。

 

◆子どもの精神的な変化

子どもの精神的な変化は、生活環境などが変化したタイミングで起きます。大人でも、転職や、引っ越しによる生活環境の変化は、精神的に大きな負担です。また、夏休みや冬休みなどの長期休暇明けのときも、出勤するのが億劫になって辛いですよね。子どもも同じように、新学期、引っ越し、夏休みなどの長期の休み明けの時期には特に、精神的に負担を受けやすいため、子どもの様子を気にかけてケアをすることが大切です。

こうした環境の変化による精神的な変化のタイミングの他に、子どもの年齢に応じた精神的な変化のタイミングも、子どもの成長に関わる周囲の大人は知っておきたいことです。

〇年齢によって変わる子どもの「いや」の現し方

特に、子どもの「いや」というサインは、年齢によってその表現の仕方が変化します。それぞれの変化のタイミングの時期を知っておき、まだ大人のように自分の気持ちを相手に伝えることが苦手な子どもたちの気持ちを理解することが大切です。

〇2~5歳頃の幼少期の子どもの気持ち

言葉を覚え、会話ができるようになるのが2~5歳頃の子どもですが、まだ家庭で過ごす時間が多く、ほとんどのつながりが親との関係である時期です。

この時期の子どもたちは、「いや」という意思表示を、「だだをこねる」ことで現します。そして、だだをこねても親が自分にかまってくれないときに、「泣く」という行動に変化します。

このようなときは時間に余裕をもっておき、急いで叱らずに、子どもに思う存分泣かせること、そして子どもの話をよく聞き、共感を示した上で、子どもの気持ちを楽しいことに転換することが大切です。

例えば、保育園に行きたくなくてだだをこねて泣いている場合は、なぜ保育園に行きたくないのかを、子どものそばに寄り添って聴いてあげます。「行きたくないよね、お母さんも離れたくないよ。」と共感を示しながらも、「今日は保育園で、ひな祭りの行事があるよ。何をするのかな、楽しそうだね。」などと、子どもの興味を楽しいものへと変化させることが大切です。

〇6歳以降の学童期の子どもの気持ち

6歳以降になると、幼稚園や保育園などでの集団生活を体験し、相手への伝え方などの社会性を学ぶようになります。しかし、子どもにとって、まだまだ親は甘えたい存在です。子どもが何かのSOSを発している場合、子どもには以下のような様子が見受けられます。

・親の前で張り切って行動し、自分に注目してもらおうとする。

・わざと遅刻したり、騒いでいたずらをしたり、友達に意地悪するなど、問題行動を起こす。

・会話を無視するなど、反抗する。

・不登校になる。

幼少期と比べ、子どもの行動には変化が生まれていますが、なんらかの行動で親の注目を自分に集め、かまってほしいという子どもの気持ちに大きな変化はありません。集団生活のなかで社会性を学び、泣いたりだだをこねたりしなくなった代わりに、自分の気持ちをうまく言葉にして伝えられない子どもたちが、行動でそれを現すようになります。

これらは、「自分のことを気にかけてほしい。」という子どもの気持ちの現れなので、子どもの行動を否定するのではなく、まず子どもの話をよく聴いて共感を示し、それからの解決策を共に考えることが大切です。