子どもたちの仲間意識は、4歳頃から形成されると言われています。1歳前後から言葉を話すようになり、最初は「いやいや」などと、自分の気持ちをうまく言葉にして伝えられませんが、4歳頃になるとそれらが変化してきます。この頃の仲間意識の形成が、その後の子どもの人との関わり方に関係する為、その子の人格形成にとって大切な時期です。

◆4歳児からの仲間意識

〇できることが増え、他者との関わりが大きくなる4歳児

3歳までの間に十分に自己主張をし、泣いたり笑ったりの中で「友達」との関係ができてくると、それまでは自分だけの世界を持っていた子どもが、仲間を意識し、相手の気持ちを考えて行動するようになります。

身体的な機能も備わり、全身を使って木登りや長距離の散歩ができるようになったり、ケンケンやスキップなど、2つの動きを同時に行うこともできるようになります。ハサミを使って曲線を切るなどの、細かい手先の器用さも備わり、子どもの活動の範囲がぐっと広がる時期です。

言葉や、話す内容も豊かになり、前のことを思い出して話せるようになったり、自分の頭の中で思い描いているイメージを言葉にして相手に伝えるということができるようになったりします。また、自分の気持ちを全て相手に伝えるのではなく、自分の中で物事を一度受け止め、相手の気持ちを考えながら、話す言葉を選ぶこともできるようになります。

他者の話を聞く力も深まり、絵本の読み聞かせなどを楽しみにします。友達の話を一生懸命に聞く姿なども、よく見られるようになってきます。

〇4歳児の仲間意識の形成が、その後の人との関わり方の基礎になる

このように、様々なことができるようになる4歳児は同時に、保育園や幼稚園での集団生活を始める時期でもあります。

それまで、家族との関わりや、時々遊ぶ友達との関わりなど、限られた範囲での集団生活を営んできた子どもたちですが、保育園や幼稚園などで異なる年齢や、それまで別々の場所で生活してきた子どもたちと、1日の多くの時間を過ごすようになることで、時にはぶつかり合いながらも、人との関わりについて学び、仲間意識が形成されます。

この時期の「仲間意識」の形成が、その後の人間関係作りの基礎となることから、4歳頃の人との関わり方はとても大切な時期です。

◆「友達」との関わりから学ぶ仲間意識

〇友達と関わりながら、喜びと悲しみを共感しあう

4歳頃になると、同じような行動をする子どもを「友達」と認識するようになります。一緒遊ぶようになり、その楽しさと同時に、自己主張がぶつかり合い、喧嘩も経験します。

子どもたちは、共に喜んだり、互いに悲しんだりすることで、他者への思いやりを形成していきます。

〇自分の考えを相手に伝え、相手の気持ちを汲むようになる

保育士や友達との会話の中で、それまでのいやいや期では、自分の不満や気持ちを全て表に出していた時とは異なり、自分の主張していいことと、するべきでないことを段々と学んでいきます。

また、遊びを通して、相手にわかるように物事を伝えることの大切さや、自己主張をコントロールし、相手と合意して物事を進めていくほうが、遊びが楽しくなることに気付いていきます。

保育園・幼稚園などでは、保育士の言動が、子どもにとっての、他者と関わるときのモデルにもなるように、周囲の大人の人との関わり方をみて、行動のモデルにすることが多くなります。

〇他者の良さに気付き、共に一つの物事に取り組むことに興味を持つ

友達と様々な遊びを体験するなかで、友達の得意な遊びや特徴、自分と異なる友達の個性などに気付き始めます。そして、人には違いがあり、その違いをそれぞれに生かしながら、共に遊ぶことで、遊びがより楽しくなることを理解し始めます。

友達の意見や気持ちに耳を傾けながら、自分の意見も主張し、相互に理解をし合いながら遊ぶことで、一つの物事を誰かと協力して行うことの良さを知るようになります。

〇共通の目的を見出し、それに向けて最後まで友達とやり遂げようとする

子どもは「遊び」の中で、徐々に目標や目的を持って行動するようになりますが、行動の途中で壁にぶつかって、やり続ける気持ちが衰えてしまうこともあります。

このようなときは、保育者がそのような子どもの気持ちを感じ、子どもの気持ちを認めながら励ますとともに、友達とともに達成する意欲を高めていくことが大切です。

友達と一緒に、一つの物事をやり遂げることで、達成感や充実感を感じ、最後までやりと集中力や、持続力を培っていきます。

〇楽しく生活をするためには、「決まり」が大切なことを理解する

集団生活のなかでは、自分の意見を主張するだけでなく、他者意見も大切にする必要を学んでいきます。

そのような中で、子どもは、遊びを通して、みんなで仲良く行動をするためには、決まりやルールが必要なことを学びます。また、遊具や道具などの共有物を、みんなで大切に使うという意識も生まれます。

◆「異年齢の子ども」との関わりから学ぶ仲間意識

〇年上・年下の子どもとの関係

保育園や幼稚園で生活するようになる4歳頃の子どもたちは、初めての家庭以外での集団生活の中で、様々な年齢のこどもたちと関わりを持つようになります。そのようななかで、年齢や性別の違う子どもたちとの関わりの仕方を学んでいきます。

自分より年下の子どもとの関わりでは、気持ちを汲んだり、優しい言葉をかけたりするなど、思いやりの気持ちを培っていきます。

年上の子どもとの関わりでは、大きくなることの憧れを持ち、自分もそのようになりたいとの目標を持つようにもなります。年上の子に優しくされた経験があると、自分も同じように年下の子どもに優しく接したいという、思いやりの気持ちがより大きくなります。

このような異年齢の子どもとの関わりの中で、子どもたちは様々な感情を抱き、自分とは異なる存在を受け止めていきます。その経験が、その後の成長した子どもの、周囲の人間との」関わり方、仲間意識の形成につながっていきます。

〇兄弟との関わり

特に兄弟は、異年齢の子ども同士の交流の中でも、最も身近な存在です。

ある観察結果によると、兄弟と同じほど年の離れた子どもと、自分の兄弟が、何かの物事に対して助言をしたとき、助言に耳を傾け、話を聞こうとするのは、兄弟のほうでした。

◆「周囲の大人」との関わりから学ぶ仲間意識

〇人との関わりの中で、良いことと悪いことを学ぶ

子どもは、自分の行動に対しての、周囲の大人の反応や、友達の反応を見て、その行為が良いことなのか、悪いことなのかを判断していきます。

特に、周囲の大人の行動を、子どもたちは大人が思った以上によく観察しています。そして、それらの行動から、物事の良し悪しや、他者との関わり方を覚えていくため、周囲の大人は子どもからみられているという意識を、日頃よりもっておくことが大切かもしれません。

〇自分とは異なる人達との交流を持つ

また、高齢者や地域の人々など、自分の生活に関わりのある周囲と関わる機会も増え、自分とは異なる人への興味を持つようにもなります。

外国人など、自分と異なる文化にも親しみを持つようになり、受け入れようとします。この時期に、様々な年齢層や、地域の日人々、外国の人との関わりを持つことで、成長したときにも、自分と環境の異なる人たちとの交流に抵抗を持ちにくくなります。