子ども心理学に関する本は数多く出版されています。著者には、臨床心理士などの心理学の専門家や子ども専門のカウンセラー、学校や病院で子どもに関わる人などが、子どもの心に迫る事例などを紹介しながら執筆されています。どの本をみても、子どもの内面は複雑で、そこには専門的な知識やスキルが必要とされます。

子ども心理学の本1.「幸福学」が明らかにした幸せな人生を送る子どもの育て方

前野隆司著

子ども心理学において、その心理は、幼少期から思春期、それ以後という年齢によって。人との接し方や物の見方、感じ方などは大きく違っています。しかし、子ども心理学の本を読んでいきますと、どの年齢にも共通する「子どもの心」があります。それを「幸福学」という心理学的手法で「親として子どもの育て方をどうすればよいか」という問いに答えてくれ、子育てに悩む親の不安に答えてくれる本です。

子どもの虐待という言葉があまりにも一般化されすぎて、近所で子どもの泣き声が聞こえてきたら「虐待ではないか」と疑ってしまいます。ただ、子どもが死に至るという痛ましい事件が後を絶たないのも事実です。この本には、幸福学という重要な視点から人の幸福の仕組みや科学的根拠について系統的に研究された結果を詳解されています。

子どもの虐待は、親である大人の病的な育児に起因する場合もありますが、平穏な家庭においても、子育てによるストレスが原因で虐待に至る場合もあります。この本では、子ども心理学の観点から幸福学に焦点を当てて「長続きする幸せ」について「幸せ」を4つの因子に分けて詳しく紹介されています。この4つの因子を持ち続けることが非常に大切だといわれます。

・「やってみよう」因子

何にでも挑戦してみようとその挑戦内容を具体化することで、自己実現を目指すことで幸せにつながります。

・「ありがとう」因子

感謝の気持ちは幸せにとって欠かせないもので、常に「ありがとう」の思いを持つことが幸せにつながります。

・「なんとかなる」因子

前向きに考える、行動することで「なんとかなる」因子は家庭で欠かせない因子で幸せにつながります。

・「ありのままに」因子

自分らしく生きることを家族で共有することは大切なことで幸せにつながります。

この4つの因子を高めることが「長続きする幸せ」につながると解説しています。つまり、この「4つの因子」を高めることができれば、持続的に幸せを感じることができます。子ども心理学でも、子育てに幸せを感じられる親になれば(前向きに)子どもも親のよい影響を受けて感謝し、前向きに自分らしさを発揮できるようになるというものです。

このように、この本では子ども心理学の視点から、親子に対してご紹介した4つの因子を高めることを推奨しています。幸福体質になるためのトレーニングについても、その理論や実践方法を詳しく紹介されています。「子どもが不登校になった」「スマホやゲームばかりしてどう対応していいか困っている」「子ども同士のトラブルに悩んでいる」などという悩みを持っている親御さんがその解決に役立てることができます。

子ども心理学の本2.モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる、お母さんの「敏感期」

相良敦子著

「モンテッソーリ」はイタリアの女性初の医学博士とした活躍された人で、中でもその教育法は、子ども心理学でも大きく取り上げられています。この本では「敏感期」(特定のことに対して特別な感受性を発揮する時期)がどの子どもにもあり、その時期が非常に重要だと提唱して詳しく解説しています。

親御さんの子育ての悩みに「塾や習い事は何歳から」「年齢に応じて子どもにやらせてもいいことは」などという疑問に答えてくれます。要するに、子育ての本ではありますが、親育ての本ともいえます。この本の特徴は、イラストを交えて解説しているところです。子どもが敏感期を迎えてさまざまな悩みを抱える親の立場でしっかりと応えてくれています。

子ども心理学の本3.子育てコーチングの教科書

あべまさい著

子育てのコーチングの決定版といわれるだけあって、非常に具体的に親の子育てについて解説されています。著者自身がコーチングと子育てに取り組んでおられています。コーチングは、相手(子ども)の自主性を重んじます。その著者がコーチングというスキルについて書かれていますから、実践されている裏づけもあり、かなり実効性の高い本です。

子どもと関わるときにどんなことを考え留意すればいいかについてこの本に詳しく書かれていますから、現代の社会に欠けているとされている子どもとのコミュニケーション手法についてしっかりと学ぶことができます。「コミュニケーション不足の我が家でしたが、娘との会話がはずむようになった」「コーチングスキルを学ぶことができ、子どもと良好な関係を保っている」などと評判高い子ども心理学の本です。

子ども心理学の本4.成功する子・失敗する子―何が「その後の人生」を決めるのか

ポール・タフ著

一般的な人生における成功、失敗については、さまざまな心理学の本で紹介されています。この本では子どもたちが成功するために、親として身に付けさせなければならない力について詳解しています。著者が経験、実証してきた神経科学や経済学、心理学の視点で最新科学から導き出された内容になっています。

大人は子どもにどう関わればいいか、そして、どんな力を身に付けさせればいいか、これは、子育てをする親にとって最大の課題です。「誠実さ」や「自制心」「好奇心」など、この能力は私たち大人が支援していかなければなりませんが、子どもにタイミングよく声かけやコミュニケーションをすることはなかなか難しいものです。心理学の観点から子どもが成功から幸せを掴むポイントを知ることができます。

子ども心理学の本をご紹介・子育て中の親への提言・まとめ

子ども心理学の4冊の本をご紹介しましたが、どの本にも共通していることは、親として子ども理解をしっかりとする必要性と、個性ある我が子にはどんな支援が最適かを常に考えることが重要だということです。子ども心理学について書かれた多くの本の中からぜひ手に取っていただきたい4冊の本です。