心理検査は、子どもの年齢に応じて「知・徳・体」の発達が順調に育っているかをさまざまな観点でテストや聞き取り、観察などの手法によって明らかにしていきます。年齢に応じた発達は、子どもの体や心の成長を知る上でも非常に重要なことで、親や先生が子どもの様子に疑問を感じた時に心理検査を受けることになります。

子どもの年齢に応じた心理検査とは

専門諸機関や心療内科などでは、子どもの様子を判断し親御さんの求めに応じて心理検査を行います。その年齢の子どもの発達に疑問を感じる場合、「知能」「発達」「人格」という大きく3つの観点で検査を行います。心理検査には、知能検査、発達検査、人格検査があります。

子どもの年齢に応じた心理検査1.知能検査

「うちの子は、周りの子どもに比べて覚えることが苦手で、学校のテストでも宿題をきちんとしているにもかかわらずがんばっても50点程度しか取れない。」という親御さんの不安があります。知能の発達は、年齢に応じてある程度は理解し記憶できるものですが、そうでない子どももいます。専門家に相談された場合には、心理検査の中の知能検査を受けて子どもの年齢に応じた発達を測ります。

・WISC-IV知能検査

対象年齢は、5歳から16歳11か月とされています。全部で15の検査項目があります。その中の10の基本検査で「得点」が算出されますが、この知能検査の特徴は、知能検査で測れるIQだけではなく個人内の能力のばらつきがわかりやすいことです。つまり、Aの項目についてはある程度発達できているが、Bについては発達年齢に達していないということがわかります。この心理検査の結果をもとにして、Bの項目への支援、指導が必要であるというはんだんがなされ、支援計画を作成していくことになります。知的障がいや知的な遅れという障がいのある子どもについての支援に役立てられています。

・田中ビネー知能検査V

対象年齢は、2歳から成人です。田中寛一(心理学者)によって1947年に開発された知能検査です。子どもの知能検査では、知能指数と精神年齢から年齢に応じた発達であるかを判断されるものです。この心理検査の特徴は、思考・言語・記憶・数量・知覚という項目で、子どもの日常生活にある場面を取り入れて検査を行うことです。このように、日常生活に即した場面を取り入れることで、子どもの素直な解答(本来の力)を知ることができ、正確な知能検査になります。

子どもの年齢に応じた心理検査2.発達検査

子どもの心理検査の一つ、発達検査は、発達障がいの子どもが多く存在することがわかっている今、心療内科などの専門機関で実施されています。検査そのものは、子どもの観察を中心に行われており、作業能力の低い子どもに対しても、精神発達という点で理解しやすいものになっています。心理検査としての発達検査の目的は、保育、教育、療育で指導を行う場合に子どもの教育の計画を立てる、指導の方向性を決めるための効果が期待できるということです。

最近では、いわゆる健常児と思われる中にも発達障がいの子どもがいるという場合が多く、それを見つけるためにも用いられます。短期間で大勢の子どもの心理検査ができるという特徴もあります。発達遅滞や発達に気になる点を見つける場合に用いますので、スクリーニング(健常児の集団から子どもの年齢に応じた発達が不十分な子どもを選定する医学的手法)が使われることが多いです。

・新版K式発達検査

対象年齢は0歳から成人と幅広い年齢で心理検査が行われています。主として発達障がいを見極める際に用いられる心理検査で、発達の遅れや偏りを多面的に算定、評価していきます。この検査結果は、学校教育や療育などにおいて活用されています。需要が多く心療内科や療育専門施設などにおいて心理検査として実施されています。この発達検査の特徴は、発達年齢と実年齢を「運動」「認知」「言語」の分野で評価していくことです。子どもにとっては、難しい心理検査とは違って、遊び感覚で検査を受けることができるというメリットがあるため、集中力の欠けた子どもでも検査が可能です。

子どもの年齢に応じた心理検査3.人格検査

人格検査は、子どもの年齢別の心理検査の中でも比較的気軽に検査が行われています。

人格は、その人の性格として、子どもに限らず大人になっても就職や転職、受験などの際にも行われる場合があります。以下、人格検査として用いられる検査法をご紹介します。

・質問紙法

あらかじめ定められた数多く(成人での検査では550)質問項目に答えることで、人格を明らかにします。この検査は、過去に多くの人の回答から統計的な分析を行い、それを基にして結果を得ることが可能です。就職・転職時において、採用の参考にする職場もあり、従業員に対して行われている職場もあります。

・投影法

投影法は、刺激に対する反応によって子どもの個性を把握するものです。例えば、一枚の街の風景やようすから、質問者が質問を重ねていきます。その質問(刺激を与える)に対して答える(反応する)という簡単なものですが、子どもは幼い年齢では特に無意識状態で質問に答えますので、その子どもの内面にある性格特性を判断しやすいといえます。

・作業検査法

心理検査の一つ作業検査法では、よく内田クレペリン検査が用いられます。これは、一桁の数字が並んでいる検査紙を加算していくという単純な作業です。制限時間を設けて、時間内にいくつの正解があるか、その回答結果から判断して性格特性を捉える方法です、日本独自の心理検査で、幅広い年齢において古くから用いられています。

子どもの年齢に応じた心理検査でわかること・まとめ

子どもの心理検査は、その年齢に応じて親や先生が「子どもの様子が気になる」ということで、医療機関などに相談して実施される場合が多いです。子どもの発達のどの部分に支援が必要で、今後の子どもの教育の参考にするためのものです。心理検査は、ご紹介しましたように3つの検査があり、検査をするにあたっては、子どもの今の状態からどのような心理状態を見るかによってどの検査を行うかを判断します。心理検査では、このように検査をする目的を明確に持って行うことが重要です。