子どもの心理相談は、心療内科などの病院で診察されますが、年々増え続けているのが現状です。子どもの心はひ弱なもので、年齢に応じてその成長過程で思いがけない出来事などがあった時に乱れてしまいます。小中学校では、現代社会でも大きく取り上げられているいじめや不登校の子どものためにスクールカウンセラーを配置して対応しています。

子どもの心理相談事例

子どもの心理相談では、子どもの体や心、学習の年齢に応じた発達に疑問を感じた保護者が、子どもとともに解決のための方策を心療内科などの医師や学校関係者、スクールカウンセラーなどとともに考え実践していきます。ここでは、子どもの心理相談に寄せられる相談内容についてみていきます。

・発達に関する相談

一人一人の子どもが健全な成長をしてくれることは大人みんなの願いでもあります。最近では、発達障がいという障がいをよく耳にするようになりました。子どもの発達障がいは、生まれつき脳に何らかの障がいあり、多動や落ち着きのなさ、学習面の遅れや情緒面の不安定などの症状が見られ、親や先生の気づきによって専門家の心理相談、検査を受け、発達障がいと認定されるものです。心理相談には臨床心理士や心理カウンセラーなどがあたり、聞き取りや心理テスト、作業を通して診断を行います。

・問題行動に関する相談

最近では不登校による心理相談の数が多くなり、家族心理カウンセラーなどが、子ども自身やその両親、兄弟、学校などから聞き取りやカウンセリングを行い、解決に向けて連携して努力をします。問題行動には、不登校のほかにも不適応行動(集団生活に馴染めない)保健室登校、心身症による問題行動など、心療内科などでは、子どもの心理相談で多種多様の相談が寄せられます。その際には心理カウンセリングを行います。

・学習支援に関する相談

学習障がいの可能性を感じながら、保護者が子どもに心理相談を受けさせるケースもあります。学習の遅れは障がいなのか、本人の努力の足りなさなのかがわかりにくいものです。親は「何とか平均点以上取れる子どもにしたい」という思いで心理相談を受けます。支援者は、親に対しては、一人一人の学びの差があることを理解してもらい、子どもには、学ぶことの楽しさを味わわせるようにしていきます。

・就学に関する相談

小学校や中学校入学時に、就学について不安がある場合に心理相談を行います。この場合には、子どもの様子とともに保護者の不安や悩みを和らげることになりますが、発達障がいの状況が重い場合には特別支援学校などを勧めるときもあります。いずれにしても子どもや保護者の支援、アドバイスをしっかりと行う必要があります。

子どもの心理相談での支援

・家庭訪問での支援

家庭訪問による心理相談もあります。訪問カウンセリングといいますが、子ども自身が不登校や家庭内暴力の可能性があるなどの状態になると外に出ることや人に会うことを拒絶する場合があるからです。そういう事情がある場合には過程への訪問を行い子どもや家族と面談を行います。

・特別支援教育における個別の支援計画の作成への支援

学校やデイサービス(特別支援を必要とする子どもが放課後に活動する施設)などでは、障がいのある子ども一人一人に合った個別の支援計画を作成します。この計画作成にあたっては、専門家による子どもの見極めが必要です。心理相談で個別の支援計画作成の助言を与えます。

・保護者支援

また、保護者が子どものことで心理相談を受ける場合には、保護者の気づきが遅かったのではないかという不安を持っています。心療内科の医師は、ほとんどの場合、気づいたことがすばらしいことでたとえ発達障がいという診断結果がでても、将来的な社会生活には心配はいらないというようなことを言われます。発達障がいと診断される子どものこだわりの行動は、保護者の気づきまでは「単なるわがまま」のように思ってしまいます。ですから、保護者には発見が遅れたという責任はないし、子どもはその言動で心を落ち着かせていたということになります。心理相談では、このように保護者の支援もしっかりと行わなければなりません。

・心理検査での支援

心理相談として、個々の子どもの「特性」に応じた発達・学習支援を行っています。家庭で取り組める教材の提供や学習計画作成、到達度検査も行っています。その資料作成のもとになる心理検査には、発達検査や知能検査、人格検査、聞き取りやカウンセリングがあり、発達障がいの認定などではそれらを総合的に判断しています。

子どもの心理相談を行う医師やカウンセラーの役割

心理相談事例が多い現状で、発達障がい等の障がいのある子どもの実態などをまとめて資料とし、学校や施設の職員や保護者に対して講演を行う場合もあります。学校や施設の職員は、ある程度の心理学については学んで知識やスキルとして持っていますが、深い専門知識やカウンセリングスキルなどは身に付いていません。そこで、多くの事例を経験しているカウンセラーに講演で心理相談事例を聴くことで実践に生かすことができます。

子どもの心理相談の流れ

子どものことで、保護者が気づいたこと、気になっていることを聞き取りで明らかにします。発達障がいの子どもさんでよくある親の気づきは「物へのこだわり」「何度も手を洗う」「予定が狂うとパニック状態になる」など、発達障がい特有の言動が代表的な例です。この例にもありますが、子どものこだわりは、あくまでも子ども自身が安心を得る言動なのです。この検査では、子どもの行動やある出来事への対応の状況などの行動分析という手法がよく用いられます。この行動分析の手法でその子どもに合ったプログラムを作成し、家庭や学校で実践してもらうことになります。

子どもの心理相談に追われるカウンセラーの実態・まとめ

子どもの心理相談には、専門的な知識やスキルを持った心療内科医師や子ども心理カウンセラーなどが対応します。近年の子どもを取り巻く環境の変化で、ますます心理相談が増え、医師やカウンセラーの数が足りないという状況にあります。それは、心の病は風邪ひきのようにすぐには治らない、心理相談が長期化するという現実があるからです。