子どものやる気には、「外的動機付け」によるやる気と、「内的動機付け」によるやる気の2種類があります。物事に対して達成しようという気持ちや、負けずに最後までやり遂げたいという気持ちが大きいのは、「内的動機付け」によるやる気です。「内的動機付け」による子どものやる気を生み出すために必要なこととは何でしょうか。

◆2種類のやる気

子どものやる気が起こる理由には、「外的動機付け」と「内的動機付け」の2つがあります。

○「外的動機付け」

「外的動機付け」とは、報酬や評価、称賛などといった外部からの“ご褒美”的なものによって起こる、やる気のことを言います。

例えば小学生の子どもなどに、「お皿洗いを手伝ってくれたら100円のお小遣いをあげるよ」などと、お手伝いのやる気の起因を、報酬によって生み出そうとすることを「外的動機付け」と言います。

○「内的動機付け」

一方で、「内的動機付け」とは、達成感や満足感、その行動をすることによる自分の喜びなど、自分の内部から生み出される“気持ち”をやる気の原動力とすることを言います。

この場合、その行動自体に満足感や、やる気を子どもが感じているため、簡単に諦めずに継続する力が身につきます。だからこそ、子どもが何かを始めるときには、この「内的動機付け」によるやる気が、行動の起因となっているかどうかが大切です。

〇「外的動機付け」から「内的動機付け」へ

行動を始めたきっかけが、例えば先ほどの『お手伝いのお小遣い制』だったとしても、行動の途中で、「外的動機付け」だったやる気から、「内的動機付け」のやる気へ変化することが大切です。

お皿洗いを手伝ううちに、家族が喜んでくれる姿を見て、子どもが家族を手伝うことにやりがいを感じたり、お皿洗いだけでなく、料理を作ること自体にも興味が湧き、自ら「料理をしてみたい」などと、積極的に家事に関わろうとしたりすることで、子どものやる気が継続し、達成しようとする力や最後までやり遂げようとする気持ちも大きくなります。

◆子どものやる気を継続させるためには

○子どものやる気を奪ってしまう“アンダーマイング効果”

アンダーマイング効果とは、心理学的な用語で、子どもの元々持っていた「内的動機付け」に、「外的動機付け」がマイナスの影響を与えてしまうことで、子どものやる気が減少してしまうことを言います。

例えば、先ほどの『お手伝いのお小遣い制』も、元々お手伝いをすることが好きで積極的にお手伝いをしていた子どもに、ご褒美としてお小遣いをあげていると、子どものやる気の動機付けが、「内的」から「外的」へ変化してしまいます。

そして子どもはだんだんと、お小遣いをもらえなければ、お手伝いをしなくなってしまいます。こういった子どものやる気の減少を、アンダーマイング効果と言います。

子どものせっかくの「内的動機付け」のやる気を失わないようにするためにも、周囲の大人は子どもへの誉め方を考える必要があります。

〇親子のコミュニケーションをご褒美に

“アンダーマイング効果”を起こす主な要因は、お小遣いやおもちゃ、お菓子などの「モノ」をご褒美としてあげることだそうです。同じご褒美でも、「モノ」ではなくて、「コト」であれば、アンダーマイング効果は起こりにくいと言われています。

例えば、子どもがお手伝いをしてくれたら、「ありがとう」と抱きしめたり、「すごいね」と積極的に誉めたりすることで、子どもはその行為自体を継続しようと思うようになります。

また、子どものやる気を継続させるための行為が、親子のコミュニケーションを密にすることにもつながり、子どもが親の愛情を感じやすくなるという利点もあります。

〇ポイント式のご褒美で、「モノ」から「コト」のご褒美へ

すでにおもちゃなどの「モノ」でご褒美をあげている場合は、それを一旦、ポイント制にしてみてください。ポイントやシールなどをシートに集めて、数が集まったらお小遣いやおもちゃに交換する、などという制度です。

はじめはポイントなどを、お小遣いやおもちゃなどの「モノ」に交換するために頑張って集めていた子どもたちは、ポイントやシールなどが集まるうちにだんだんと、自分の行為が認められていることを視覚的に実感していくようになります。

やがてそれが、「自分は親に認められている」という実感や、褒められているという嬉しさにつながり、自らその行動を継続して行おうとするようになります。

◆子どものやる気を引き出す言葉=「信じている言葉」

普段の生活における親子の会話にも、子どものやる気を引き出す言葉と、そうでない言葉があります。

〇子どものやる気を損なう言葉

子どものやる気を損なってしまう言葉は、「子どもの心配をしすぎる言葉」です。

例えば、「今日の宿題は何が出たの?」「宿題はもう終わったの?」「忘れ物はない?」などと、親は心配のあまり、子どもに色々と言葉をかけてしまいます。しかし親は、子どもが心配だから悪気なくかけている言葉でも、子どもにとってはどうでしょうか。

例えば、大人の場合で同じように考えてみたとき、運転をしている人に対して「本当にこの道であっているの?」「運転は大丈夫?」「あなたの運転は心配だな。」などと言われたら、どんな気持ちになるでしょうか。

相手が自分を信用していないことが分かり、自分に自信がなくなったり、信用をしてもらえないことに対して悲しくなったりするのではないでしょうか。

〇親の心配のしすぎは、子どもの自信喪失につながる

子どもも、大人と同じです。親に心配をされすぎると、子どもは自信を失くしてしまいます。自信を失うことで、子どもは同時にやる気も失ってしまいます。

親の必要以上の心配は、子どもを信用していないということであり、その親の気持ちは子どもにも伝わってしまいます。自信を失くした子どもは、何事に対しても、「どうせ無理だ。」と思うようになってしまうため、挑戦をしない、やる気の継続しない子どもになってしまいます。

〇子どものやる気を引き出す言葉=「信じている言葉」

子どものやる気を引き出す言葉は、「子どもを信じているよと伝えるような言葉」です。

「お母さんはあなたのことを信じているよ。」
「あなたならきっと大丈夫。」「あなたなら必ずできる。」

こういった言葉を普段から子どもへ伝えることで、子どもは自信が湧いてきて、その自信が子どものやる気につながっていきます。