親や、周囲の大人の子どもへの適切な言葉が、その子の成長には大きく関わってきます。親はどうしても子どものことが気になったり、大切に思う余り子どもに色々と口出しをしてしまったりしますが、子どもにとって理想の親の存在は、「ただ何も言わずに自分の話を聞いてくれた」親だといいます。

◆親が子どもの話を聞くことの大切さ

〇「何も言わずに、自分の話をただ聞いてくれた」

親は子どものことを心配するあまり、つい色々な言葉かけを子どもにしてしまいます。

しかし、『プレジデントファミリー2017年秋号』の特集記事「東大生173人アンケート 学力を伸ばすたったひとつの親の習慣」には、「親が子どもの話に耳を傾ける」ことが大切だと書かれています。

実際に、自分のことや家族のことが好きで、未来は明るいと考えるなどの自己肯定感の強い子どもは、自分の親について「何も言わずに、自分の話をただ聞いてくれた」と答えることが多いといいます。

〇親は子どもの「後方支援」に徹すること

親はくちやかましく子どもに声かけをするのではなく、後方支援に徹することが大切です。あれこれ言いたい気持ちを抑えて、子どもの話を聞くことに徹することで、子どもとの信頼関係が生まれます。

子どもは親の所有物ではなく、一人の人間です。大人が、自分の気持ちを理解してくれる相手には、心を開いて自分を開示しようとするのと同様に子どもも、自分を理解しようとして話をじっと聞いてくれる人に、信頼感を持ちます。

一番身近な存在である親子の間に信頼関係が生まれることで、子どもは自分に自信や幸福感を持って成長していきます。

◆子どもへかけたい10の言葉

子どもの話に耳を傾けることもとても大切なことですが、子どもに対して日常的にかける言葉も大切です。

適切な言葉を子どもにかけることによって、子どもは自己肯定感を高めていきます。具体的に子どもに日々かけるとよい言葉は、

・子どもを認める言葉
「あなたならできるよ」
「あなたのことを信じているよ」
「いい経験になったね」
「大丈夫だよ」
「その話をもっと聞きたいな」

・子どもを誉める言葉
「すごいね」「頑張ってるね」
「結果を気にせずに思いっきり楽しんで!」

・感謝の気持ちを伝える言葉
「ありがとう」「大好き」

などの言葉です。

子どもはそれらの言葉を日常的に聞くことで、自分を認め、自分に自信を持っていきます。そして自己肯定感が強くなることで、様々なことに果敢に挑戦していく子どもに成長していきます。

◆子どもへの誉め方のコツ

〇3つの誉め方のコツ

子どもへの適切な言葉として、子どもを誉めるときには、
・目を見て誉める
・その場ですぐ誉める
・具体的に誉める
ということを意識して誉めると、より効果的に子どもへ伝えることができます。

〇目を見て誉める

子どもも大人と同様に、目を見て話してもらうと、気持ちがより伝わります。

誉めるときは、子どもの目線に視線を合わせて、言葉を伝えることが大切です。小さな子どもを誉めるときは、子どもの目線までしゃがんで誉めてあげてください。

〇その場ですぐに誉める

「後でしよう」と思うと何でも忘れてしまうことが多いです。特に忙しい日々の子育ての中では、タイミングのよいときに褒めようとか、後でまとめて誉めようとかではなく、気付いたときに、その場その場ですぐ、子どもへ言葉をかけることが誉め方のコツです。

日常的に子どもを誉める言葉や、子どもを認める言葉などを口にすることで、子どもの自己肯定感も高まっていきます。

親がよく口にする言葉や、口癖になっている言葉は、子どもたちの成長に大きな影響を与えるため、親がその場ですぐ誉める癖をつけていくことも大切です。

〇具体的な言葉で誉める

誉めるときには、「すごいね」「頑張ってるね」などの言葉でもよいのですが、具体的に誉めることで、子どもの誉められて嬉しかった記憶が、より鮮明になります。

例えば、「毎日お皿洗いを手伝ってくれてありがとう。〇〇ちゃんが毎日頑張ってくれて、お母さんたち家族はとても助かっているよ。」などと、具体的に誉めながら、親の気持ちも同時に伝えることで、子どものやる気もさらに高まります。

◆「努力の証が成功である」と信じる子どもへの適切な言葉

〇人間には承認欲求がある

人間には承認欲求があります。親が子どもに対して“結果”ばかりを求めていると、子どもの承認欲求は、何かを成功して結果を得ることでしか、得れなくなります。

例えば、勉強と成績に厳しい親が、子どもがテストでよい成績をとったときだけ誉めていたとしたら、その子どもは、テストでよい点数を取ったときしか、親からの承認を得ることができなくなります。

〇“頑張った過程”を認める言葉

こういったとき親は、子どもの“結果”だけを認めて誉めるのではなく、“結果までの過程”についても誉めて認めることが大切です。

例えば、テストの成績について、「満点を取れてすごいね。」という言葉だけでなく、成績があまりよくなかったときにも、「テスト勉強を毎日とてもよく頑張っていてすごいね。」などと、子どもの日々の頑張りを誉めてください。

そうすることで子どもは、結果がよくなかったときでも、「次こそは頑張ろう」という気持ちになったり、「お母さんが誉めてくれるから、毎日の勉強をもっと頑張ろう。」などと、“結果”が出せるように、さらに頑張ったりするようになります。

〇「努力の証が成功である」と考える子ども

スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授の研究結果によると、親の子どもへの誉め方の違いから、子どもの「意欲と根気」にも違いが出ることが分かっています。

“結果”だけを誉められて育った子どもは、成長した後、「才能や頭の良さが成功に関係する」という価値感を持つようになります。

この価値感は、子どもがわずか4歳になったときにでもすでに生まれる価値感のため、幼い頃から、親は子どもへの誉め方を考える必要があります。

「努力の証が成功である」と考える子どもたちは、幼い頃から、“結果”ではなく、“過程”について褒められてきた傾向があります。

“頑張った過程”を褒められ、認められてきた子どもは、その過程を重視し、努力することを続けようとします。そのため、粘り強く辛抱強い子どもへと成長していきます。親は、子どもの“頑張った過程”を認める言葉かけを、日常的に子どもにしていくことが大切です。