どんなときも、子どもが求めているのは「そうなんだね。」という親からの共感と信頼です。子どもの問題行動は、未熟さ故に短絡的な行動を選択しているだけで、その行動の裏には、「認めてほしい」「構ってほしい」などの本心が隠れています。周囲の大人は、子どもの問題行動を責めずに、その行動の裏にある本心を知ろうとする努力が大切です。

◆少しの問題行動は「成長の証」

〇子どもの問題行動

子どもが成長するにつれ、親の言うことを全く聞こうとしない、外にでかけたときにわざと騒いだりして周囲の気をひこうとするなどの問題行動が見受けられるようになってきます。

少し大きくなってくると、万引きをしたり、学校をわざと休んだり、親に口ごたえするようになったりなどの問題行動もみられます。

〇幼い頃の問題行動の捉え方

2~3歳ほどの子どもの、少しの問題行動は、大人があまり深刻に考えすぎず、「子どもの成長の証」として捉えることも大切です。

生まれてから、2、3歳頃までの子どもは、自分の意思をうまく他人に伝えることができず、泣いたりぐずったりして自分の気持ちを伝えようとします。しかし、成長をしていくにつれて、自分の気持ちを言葉や行動にして他人に伝えたり、相手の気持ちを考えて行動がしたりするようになってきます。

そのような成長の中で、親に怒られたくないような出来事ができたとき、子どもは自分の保身のために、親に嘘をついたり、質問しても真面目に答えずに逃げたりするなどの問題行動をとるようになります。

〇問題行動は「成長の証」であることも

このような、幼い成長途中の子どもの少しの問題行動は、「成長の証」として、大目にみることも大切です。それまではうまく自分の気持ちを伝えられなかった子どもが、自分の身を守るために考えて行動ができたことは、大きな成長の一つです。

しかし、問題行動を頻繁に繰り返すようであれば、それは子どものSOSのサインかもしれません。そのようなときは子どもの様子をよく観察して、子どもが何を求めているのかをよく知ることが大切です。

◆子どもの問題行動の裏にある心理

〇辛抱強く原因を探ること

子どもが問題行動を起こすことには、必ず理由があります。「なぜそのような行動をとるのか?」について、根気よく子どもに尋ね、その原因を探ることが、子どもの問題行動を更生するためには必要です。

子どもに「なぜそのような行動をとるのか?」と質問しても、最初の頃は、真剣に答えてくれず、答えをはぐらかされることが多いでしょう。しかし、そこで諦めずに辛抱強く子どもと関わっていくことが大切です。

最初は、「イライラしていたから」「理由なんて特にない」などと答えていた子どもたちも、大人が真剣に自分のことを心配して尋ねてくれていることが分かってくると、次第に子どもたちも心を開いて、「聞いてほしかったから」「かまってほしかったから」などの本音を話すようになります。

〇問題行動は子どものSOSのサイン

問題行動は、子どもの「かまってほしい」「気付いてほしい」という気持ちの表れです。例えば、お父さんのことが大嫌いだとずっと強く言っていた子どもがいました。

しかし、よく話を聞いてみると、本当はお父さんのことが嫌いなのではなく、お父さんともっと話したり、お父さんに自分のことをよく知ってほしいと思ったりしていることが分かった、という事例は多くあります。

〇頭ごなしに否定しないこと

子どもは、自分の本当の気持ちを伝えることができないために、その気持ちを問題行動として表しています。

例えば、子どもが万引きを起こしたと知ると、親は子どもを強く叱りつけますが、叱るだけで終わってしまっては、子どもがなぜそのような行動を起こしてしまったのかが分からずに、問題が解決しないままになってしまいます。その結果として、原因が解決しないために、子どもの問題行動がその後も繰り返されてしまうことになります。

子どもが起こす問題行動は、その行為自体を行いたいために行動しているのではなく、その裏に子どもたちの気持ちが隠れています。そのことを親が理解し、子どもの問題行動を頭ごなしに否定したり、怒ったりせずに、子どもの気持ちを理解しようとすることが一番大切です。

◆子どもの問題行動を気にしすぎると

〇子どもの問題行動を気にしすぎない

しかしそうは言っても、子どもの問題行動は、親にとって辛いことに違いはありません。特に今の時代はSNSも盛んなため、他の家庭の情報が以前より簡単に分かるようになりました。

そのようななかで、自分の子どもが、親に口ごたえばかりして反抗したり、万引きを起こしたり、不登校になったりするなどの問題行動を起こしていると、親としてはつい子どもを強く叱りつけたり、他の家庭と比べてしまって落ち込むこともあります。

しかしそのようなとき親は、落ち込んだり悲しんだりしているだけでなく、子どもの気持ちを考えて、子どもの問題行動の裏にある原因を探ることが大切です。

〇親と子どもの悪循環

子どもの問題行動を気にしてばかりいると、だんだんと子どもの悪いところばかりが目につくようになってしまいます。そうすると、親子での悪循環が起こります。

問題行動はあっても、子どもにはよいところが必ずあるはずです。「すぐに謝ることができる。」「スポーツが好きで一生懸命に取り組んでいる」「友達を大切にする」など、子どものよいところを挙げてみると、たくさん出てくるはずです。

子どもの問題行動に悩む親は、そのことばかりを気にしてしまいがちですが、子どものよいところを認めることで、子どもも親に心を開き、本音を話しやすくなります。悪循環を起こさないようにするためにも、親が子どもの問題行動に対して、あまり怒ったり悲しんだりせずに受け止めることが大切です。

〇信頼は忍耐によってうまれる

しかし、子どもの問題行動の裏にある本音を聞き出し、原因が分かるようになるまでにはなかなか時間がかかります。親には本音が話せず、学校の先生や、祖父母など周囲の大人からのアプローチで、子どもが心を開くこともあるかもしれません。

いずれにせよ、子どもの問題行動の原因を探り、その行動を更生するまでにはたくさんの時間がかかります。子どもを信じ続けることは、難しいことではありますが、信頼とは忍耐によってうまれるものです。

子どもの問題行動を頭ごなしに否定せず、その行動が子どものSOSのサインだということを理解して、根気強く原因を探ることが大切です。