発達障害とは、脳の機能の発達がアンバランスなために、日常の生活において支障がでてしまう状態をいいます。得意なことと、苦手なことの差が大きく、コミュニケーションや創造力を働かせることなどが得意でないことをいいます。発達障害を持つ子どもに対して、親や、周囲の大人と子どもたちができる支援について考えていきます。

◆子どもの発達障害について

発達障害の子どもには、先生の指示をじっと座って聞くことが難しかったり、集団行動が得意でなく落ち着いて行動できなかったりするなどの特徴があります。

発達障害は、3つの種類に分類されます。

〇自閉症スペクトラム

特定のことに強い興味を持ち、他のことには目も向けないなど、興味や活動が特定のものに限定されるのが特徴です。

他人とのコミュニケーションを苦手とし、その分自分の興味のあることに集中するため、ある一定の分野で高い能力や技術を持っていたりします。

〇注意欠如・多動性障害

注意欠如・多動性障害には、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの症状が見られます。

集中力が続かず、何度注意されても忘れ物をするくせがなおらないなどの「不注意」。
教室でみんなで長時間座って先生の話を聞くなどのじっとしている行為ができない「多動性」。
みんなで一緒になって何かに取り組んでいる最中であっても、自分が何か思いついたことがあると、そっちに取り組まなければ居ても立っても居られなくなる「衝動性」の3種類の症状です。

〇学習障害

学習障害は、知的レベルや本人の努力には問題がないにもかかわらず、特定の学習能力に欠けることをいいます。

「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推理する」のうちいずれかを、本人がどんなに頑張っても習得することができず、周囲と同じように学んだり使ったりすることが困難な状態です。

◆発達障害の子どもの特徴

〇大人の発達障害

最近では、生きづらさを感じて成長してきた子どもたちが、大人になってから自分が発達障害であることを気付くというケースが増えています。知的レベルが高い場合は、知能で発達障害の症状をカバーすることができるので、気付きにくいということが起こります。

最近発達障害という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、それは発達障害の人数が増えたからではなく、発達障害という言葉や障害の知識が広まってきたことで、自分自身や子どもの発達障害に気付く人が増えたからだといえます。

〇発達障害かなと思ったら

幼稚園・保育園に入る前の子どもで、視線が合いにくい、名前を呼んでも振り向かない、などの様子が見られる場合は、発達障害の疑いが考えられます。1歳半を過ぎても、言葉がなかなか出てこない場合も、発達障害の可能性があります。

子どもの様子が気になったときは、まずは保健所の定期健診で相談してみる、すでに入園している場合は、園の先生方へ相談してみてください。

◆発達障害の子どもへの支援の仕方

発達障害を持った子どもたちには、親が必死で注意をしたり、物事を伝えようとしたりしても、思うようには伝わらないことが多いです。

しかし、発達障害の子どもたちにとって、伝わりやすい伝え方もあります。それは発達障害の子どもに限らず、その子の特徴を捉えて、伝わりやすいように伝え方を工夫する点では、どんな子どもであっても同じです。

「何度言っても伝わらずにイライラしてしまう。」のではなく、その子の得意なこと、不得意なことを大人が認め、子どもへの支援の仕方を考えていくことが大切です。

◆発達障害の子どもへの具体的な支援

〇子どもへの伝え方を「見える化する」

例えば、発達障害の子どもには、目からの情報が入りやすい「視覚優位のタイプ」と、耳からの情報が入りやすい「聴覚優位のタイプ」がいます。

視覚優位な子に対しては、言葉でいくら注意したり説明したりしても、本人にはなかなか理解しにくく、うまく伝わりません。一方、聴覚優位なタイプの子にとっても、耳から入る情報が多すぎると、耳からの情報に敏感なあまり、混乱してしまいます。

このようなときには、言葉で伝えようとせず、本人たちに伝わりやすいように、伝え方を「見える化」しようとする支援が必要です。

〇絵や文字を使って伝える

例えば日常の生活の中で、「ご飯の時は座って食べる。」ということを伝えたいとき、食事中にすぐ他のことに興味を持ってなかなか食事が進まない子どもたちに対していくら言葉で伝えても、子どもたちはなかなか言うことを聞きません。

そのうち、お母さんもだんだんとイライラしてきて怒り口調になり、子どもにとっても親にとってもよくない状況を生み出してしまいます。

そこでそういうときには、「座って食べる。」という言葉を書いた紙を見せるようにしたり、座って食べているイラストを見せたりすると、発達障害の子どもたちにも伝わりやすくなります。

〇説教も手紙にして「見える化」する

長いお説教も言葉で伝えるのではなく、子どもにとって得意な、視覚から情報を得ることのできる手段を選択します。手紙に書いて文字で伝えることで、子どもたちも納得して、受け入れることができるようになります。

その他にも、文章のプリントにマーカーを引いたり、色を使ったりして見やすくしたり、家の中では、冷蔵庫に「扉を閉める!」、玄関の内ドアに「靴は揃える!」などの張り紙をしたりしておくことも、大切な支援です。

このようにしすることで、視覚的に情報が伝わりやすくなり、子どもたちも生活がしやすくなります。子どもの得意なことから伝えることが大切です。

◆クラスメイトに発達障害の子どもがいたとき

〇親の支援の仕方

自分の子どもの学校のクラスに、発達障害の子どもがいたとき、親がどう支援するかも大切なことです。

親が、「あの子は障害を持っているから、みんなと同じように行動ができないのよ。」などと
子どもに伝えてしまうと、子どもは発達障害のクラスメイトを、「障害のある子だからできないことが多い」という認識を持って接するようになります。発達障害の子どもに対して、自分よりも下に見て行動したり、いじめたりするようになってしまうこともあります。

〇人には皆、得意なことと不得意なことがある

発達障害でなくても、誰にでも得意なことと、不得意なことがあるという考えを、まず親が持っていて、その姿勢で子どもに接することが大切です。

誰にでも、不得意なことをバカにされたり、笑われたりすると嫌な気持ちになります。発達障害の子にとって、自分のできないことを笑われたり、からかわれたりすることはそれと同じことだということを、子どもが理解できるように、周囲の親が支援することが大切です。