成長過程の子どもが、普通に腹を立てたり、文句を言ったりすることはごく当然の言動です。しかし、子どものキレるといった言動が目立つようになり、こういった言動を改善させるにはどうしたらいいのかわからない。このように考える大人もいることでしょう。

子どもがキレることには、簡単には断定できませんが、何らかの原因があります。子どもがキレる心理を理解し、子どもの感情を受け入れ、適切なやり取りで対処することでこうった言動を改善できます。

子どもがキレる時に考えられる心理と、それに合った対処方法を紹介していきます。

子どもがキレることなく素直な感情を出せるようになるには、親や周囲の大人達の努力と時間が必要です。

感情や意志を抑圧されてきた子どもはキレやすい

キレやすい子どもは、「何でも思い通りになるように、我慢することを経験しないで育った子ども」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

家が貧しくて好きなことができなかたり、親から虐待を受けたことがある子どもは、自分の思い通りにならない幼少期を送っています。そのような子どもは、むしろキレることが多いというのが現実です。

子どもがキレる時の心理とは

子どもがキレる要因は、様々なものごとや背景が複雑に関係しているため、一概には言えません。しかし、多くの場合で「素直な感情と周囲に見せる言動とのギャップ」が原因となっています。このギャップが大きければ大きいほど、心の抑圧も大きくなり、キレやすくなると考えられます。

乳幼児期に親に甘えることができなかった子どもはキレやすい

乳幼児期に、親が近くから離れて寂しさを感じ、泣いて訴えたところ、すぐに親が駆け寄って笑顔で抱っこされた経験をしてきた子どもは、「寂しかったら泣く」といったように感情を素直に出すことができるようになってきます。

ところが、赤ちゃんの頃に泣くことによって、親に「うるさい」と怒鳴られたり、自分の訴えを拒否されたりした場合、その赤ちゃんは泣いても親に受け入れられてもらえないと感じ、次第に泣かないようになっていきます。そして、本当の感情を抑え、偽の感情や言動を表すようになっていくことがあります。

そのように、乳幼児期に親に甘えることができなかった子どもは、キレやすい性格になることがあります。

反対に、乳幼児期に十分甘えることを受け入れてもらえた子どもは、自分の感情をコントロールできるように成長するということです。

子どもがキレやすいと思った時の対処法

ありのままの自分を出しても受け入れられるという安心感を与える

キレやすい子どもには、以前に自分の感情を出しても親に受け入れてもらえなかったことや、自分の訴えを拒否されたという記憶が残っている場合があります。

そのため、子どもが感情を素直にあらわにした時には、それがどのようなものであっても、一度は受け入れてあげて下さい。場合によっては抱っこ等のスキンシップを取り入れながら、ゆっくりと子どもの話に耳を傾ける必要もあります。

落ち着いている時に、キレた時の感情を思い出させ、冷静に自分と対話をさせる

子どもがキレるようなことがあれば、子どもが落ち着いてから「どうしてあの時、君は大声を出して暴れたりしたの。」のように問いかけ、返答を聞くことも有効な対応です。

この時、子どもの返答は心理状態によって様々だと思われます。その時の感情を冷静に話すことができる子どももいれば、再びキレだす子どももいることでしょう。

どのような返答であったとしても、「それは辛かったね。」や「それは嫌だったんだね。」といったように子どもの言葉に共感し、「今思い返して、どのようなことをすればよかったと思う。」と質問してみましょう。そうすることで、キレて暴れる必要がなかったことを、子ども自身で理解することができる可能性があります。

このようなやり取りを繰り返していくうちに、徐々にキレている自分を客観的に見ることができるようになり、キレるといった言動を改善させることができます。

良好な食生活や、規則正しい生活習慣を心がける

子どもがキレる原因には、食事や睡眠時間といった日常の生活習慣が関係していることがあります。例えば、カルシウムが不足すると、神経の興奮を抑えることができずにキレやすくなると言われています。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンD等も含め、栄養バランスがいい食事を心がける必要があります。

さらに、生活が不規則になると、子どもの精神状態が不安定になったりし、キレる言動につながる可能性があります。運動不足や睡眠不足により、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」が不足します。このセロトニンが不足することにとり、精神状態が悪化し、キレやすくなる可能性も考えられます。

 

睡眠時間や適度な運動といった、健康的な規則正しい生活を心がけることも、子どものキレる言動を改善するには重要となります。

発達障害の可能性も視野に入れる

子どもがキレる原因として、発達障害の可能性もあります。もし少しでも不安になったり、疑いがある場合は専門医による心理カウンセリングを受け、早めに対処する必要があります。

子どもの周囲で何らかのトラブルがある

もし、「今年に入ってから急に子どもがキレやすくなった」、「友達に暴力をふるうようになった」といったように急に子どもがキレるようになった場合は、子どもの周囲でいじめや何らかのトラブルがあるかもしれません。どこかで蓄積されたストレスを、家で発散背せている可能性があります。家で子どもの話を聞く際は、「あなたが悪い」と決めつけるようなことはしないで、まずは子どもの話に耳を傾け、子どもが本音で話しやすいように配慮する必要があります。

また、信頼できる先生や他の子どもの保護者に子どもの様子を聞き、学校や家以外での様子に関する情報にアンテナを張る必要が、場合によってはあります。

子どもがキレる言動には、様々な要因や背景があります。親や周囲の大人たちは、子どもの感情を受け入れ、適切な対応を取ることで、子どものキレるといった言動は改善されると期待できます。子どものうちにキレるといった言動が改善されれば、大人になってから自分の感情をコントロールできるように成長することになります。