大人の顔色をうかがいすぎる子どもの中には、「いい子症候群」に当てはまる子どもがいます。

「いい子症候群」とは、保護者が思い描くようないい子でいようとし過ぎる子どものことです。そのいい子症候群になっている子どもの特徴や問題を解説していきます。

いい子症候群の子どもの特徴

子どもは親に褒めてもらいたいと思うものです。それは当然の感情であり、褒めてもらうことを目的に良い行いをすることは極めて一般的な子どもの特徴です。しかし「いい子症候群」に当てはまる子どもは、褒められることよりも、親が不機嫌になることを恐れ、親の顔色をうかがうことを常に考えてしまいます。

いい子症候群に当てはまる子どもの特徴は以下のようです。

・言動が受け身

・自己主張が苦手

・感情表現が乏しい

・親の指示がないと不安になる

・小さな決断も自分ではできない

いわゆるおとなしい子どもや優等生タイプの子どもとは少し違う「いい子症候群の子ども」は、親の顔色をうかがうこと、親からどう思われるかが何より大事なのです。親の期待に応えることができなければ自分が認められないと思ってしまうため、自分の意思を主張できなくなります。また、一見素直で従順に成長しているようですが、実は自分を抑え込んでいるため、突然感情を爆発させることもあるので注意が必要です。

「いい子症候群」とは、「大人の顔色をうかがい、先回りして親の期待に応えようとする自主性がない状態」であるといえます。そのいい子症候群における問題は、大人から期待されている答えを先取りしているうちに、それが自分の意志であるかのように錯覚してしまうことです。いい子を演じている自覚がないいまま成長すると、思春期や大人になってからもその影響が出てきます。

思春期や大人になってから出てくるいい子症候群だった子どもの特徴

幼少期にいいこでいようとし続けると、思春期や大人になってからは、いじょ以下のような特徴が目立つようになります。

・親の目の届かない場所で溜まっているストレスを発散しようとする

・学校でいじめの加害者になったり、先生の言うことを聞かずに困らせたりと、問題行動が表面化することがある

・自分の感情に鈍感になり、喜怒哀楽をはっきりと表現しないで相手の期待に沿っての反応しかできない

・外食する時に自分でメニューが決められない

他にも、「親がコントロールしやすい子、つまり親の言いなりに動く子どもは自立できない心配がる」という指摘もされることがあります。自分で考えて動くことができないまま「指示待ち」の思考が身についてしまうと、判断力も実行力も身につけないまま社会に出ることになります。

いい子症候群になるとうつ病にもなりやすくなる

いい子症候群になった子どもが大人になると、うつ病に悩む傾向にもあります。その理由は以下のようです。

 

対人関係でストレスが溜まりやすい

「いい人でないと認められない」という強迫観念があるため、友達、恋人や会社等での人間関係でも自己主張ができず、受け身で相手の言いなりになりやすい傾向があります。

社会環境の中で自分の能力を発揮できない

「自分自身での選択や決断」さらには「失敗による経験の積み重ね」といった経験が少ないため、社会環境の中で決断力や柔軟性を問われることを苦手とする傾向にあります。また、失敗を強く恐れるため、チャレンジ精神や向上心に欠如するということもあります。

社会環境で能力が発揮できずに、会社をすぐに辞める、仕事が続かないといったケースも考えられます。

 

自分の好きなことがわからず、ストレス解消ができない

仕事や生活習慣等にも親の意思や意見が取り入れられているため、大人になってからも「自分自身の趣味や嗜好」がわからない、あるいは何を基準にするべきか分からずに悩む傾向にもあります。仕事等に自主的に取り組めないだけでなく、日常生活でもポジティブな形でストレス解消をしにくいといった積み重ねが「抑うつ症状」等の心理的な病気しにくいにつながることもあります。

子どもを「いい子症候群」にさせてしまう親の特徴

子どもがいい子症候群になる原因の多くは親にあると思われます。こどもがいい子症候群になってしまう親の特徴は以下のようです。

条件付きの愛情しか与えない

テストで100点を取った時や逆上がりができた時など、何かができた時だけ褒める、評価するということをし過ぎると、子どもはそのままの自分でいいんだと思えず、大人に評価されることを目的に努力しようとするようになってしまいます。

「嫌いになる」といってしつけしようとする

幼い子どもは誰よりも親に愛されたいと思うものです。それは裏を返せば、嫌われないために必死に親の顔色をうかがったような行動をとるといったことになります。「そんなことする子は嫌い」といった発言は、子どものそのような気持ちを利用してコントロールしていることになりかねます。

子どものやりたいことや、関心のあることではなく、親がやらせたいことをすすめる

習い事を決める時などに、子ども自身に選ばせているように見せかけて、親がやらせたいことに誘導しようとする親は少なくありません。そのような親に対して、いい子症候群の子どもは、親の「ピアノを自分にやらせたい」や「バレエを自分にやらせたい」といった気持ちを感じ取り、親を喜ばせるために「やりたい」と言ったりします。

この際、たまたま子どもがその時選択したものを気に入ってくれれば問題がないのですが、そうでもないことも当然あります。

その時に、「あなたがやりたいと言ったよね。」と言って辞めさせないといったことが続くと、子どもは自分で選択することを次第に諦めるようになります。

他にも、子どもが頑張って集めたセミの抜け殻を「汚いからこんなものを持って帰らないで。」と叱って捨てるなど、子ども自身の興味関心より、親の感情や価値観を優先させることが続くと、子どもがいい子症候群になる可能性が高くなると考えられます。

いい子症候群かもしれない。悩んだ場合はカウセリングがおすすめ

いい子症候群の可能性があると考えられる対象が小中学生の場合には、親子でのカウセリング受診が勧められています。なぜなら、子どもの心の問題だけでなく、親側にも「子どもへの対応」に対する認知を変える必要があるからです。

もし、親子カウンセリングが難しい場合には、大人単独でのカウンセリングでも受診する価値があるといえます。子育て中の親が心理カウンセラーの専門的なアドバイスを求めることは、いい子症候群に悩んでいる場合に限らず様々なケースで有効です。

また、自分はいい子症候群だったかもしれないという大人が「親の呪縛から逃れられない」、「大人になってからもいい子でいようとしてします」といった悩みがある場合、また、そういった心情が原因でうつ病に苦しんでいる場合にもカウセリングが有効です。

カウセリングを行っている施設に行くまではしにくいといった場合には、ネットカウンセリングもあるため、早めの相談をおすすめします。