言葉を覚えると、多くの子どもは大人にどんどん話をしようとします。その際に子どもに「自分の気持ちを理解してもらえた」と思わせることで、子どもに安心感を与えることができます。さらにその安心感は子どもとの信頼関係にもつながりますので、子どもの話を理解することはとても重要になります。
子どもの話を理解することは、親や親せき、保育士の先生等といった子どもと関わることがある人にとって少なからず必要となることです。子どもが気持ちを理解してもらえたと思うような話の聞き方のポイントや注意点を以下に紹介します。

耳を傾けてしっかり聞く

子どもの心理を理解するための基本となるのが「耳を傾けてしっかり聞くこと」です。子どもが話している時に、動作や表情を含めてきちんと話を聞いてあげれば、子どもはこの人に理解してもらえたと思い、安心感を感じさせることができます。
しかし、日常の中で例えば洗濯ものをしている時や、テレビを見ている時に子どもが話しかけてきた時、意識していないうちに子どもの話を聞き流してしまうことはあるかもしれません。
これは子どもに「理解してもらえた」という安心感を与えるためには、望ましいことではありません。
話を聞くことが上手な人に子どもは好意を抱きます。自分の気持ちを理解してくれる人、自分のことをしっかり想ってくれている人だと思うためです。
日頃から意識して、子どもの話に耳を傾けてしっかり聞くことは、子どもとの信頼関係を築くためには重要なことと言えます。

子どもの話の腰を折らないこと

子どもが話している時に、話の途中で注意をしたり、話の腰を折ると、子どもは話をしても自分の気持ちを理解してもらえないと思うようになります。例えば「今日100円が落ちていた。それを拾ってお菓子を買った。美味しかった。」という話を子どもがしようとした際に、「お金を拾ったなら交番に届けなさい。」と注意を、子どもの話を最後まで聞かずにするのは少し望ましくありません。この場合、子どもの話を最後まで聞いたうえで、「お菓子を食べれてよかったね。でも、お金を拾ったなら交番に届けないといけないよ。今度からは気をつけようね」と子どもに教えるのが望ましい返し方です。子どもの話の中で、注意しなければいけないことや、どうしても気になる部分があった場合は、一度子どもの話を最後まで聞いてから問い返してください。
子どもの話を最後まで聞くと、子どもは聞いてくれた人に自分の気持ちを理解してもらえたと思うようになります。

子どもの言葉を反復する

心理カウンセラーの技法として、相手の言葉を最後まで聞いて反復する「能動的聞き方」というものがあります。子どもとの会話では、例えば子どもが「あのカラスが怖い」と言うと「あのカラスが怖いんだね」と子どもの言葉をそのままオウム返しすることがそれにあたります。このように子どもとの会話に「能動的聞き方」を取り入れると、子どもは自分の気持ちを理解してもらえたと思うようになります。から

本心を言葉で正確に表現できないこともあります

日本語はとても言葉が多く、感情やものごとの様子を伝える表現も数えきれないくらいあります。しかし、子どもはまだまだ気持ちやものごとの様子を説明するために、十分な言葉を習得していないことがあります。そのため子どもが喜んで「やばいやばい」等と言っている際は、感動している、感激しているといった意味であるかもしれません。
子どもの話にしっかり耳を傾けるだけでも、子どもの気持ちは理解できていると言えるかもしれませんが、言葉だけでは表現できていないこともあると意識する必要があります。
こういった時には、大人が子どもの気持ちを代わりに言葉にするといいです。そして、その表現を子どもに覚えさせると、子どもの言葉の表現力の向上につながります。
また、子どもが上手に自分の気持ちを言葉にできていないと感じた時は、それに適した言葉を覚えさせるチャンスでもあります。是非、子どものボキャブラリーを豊かにしてあげて下さい。

子どもの話を聞く時にしてはいけないこと

子どもが話をするときに以下のような態度や行動をとると、子どもは話をしにくくなり、この人には自分の気持ちを理解してもらえないと思わせてしまいます。

・視線を合わせない
・腕組みをする
・別のことをしながら話を聞く
・先入観を持って聞く、聞く前から結論を決めつける

まず、視線を合わせなければ子どもは自分のことを相手にしていないと思うことがあります。他に用事があって子どもの話を聞きにくい状況であっても、少し注意する必要があります。
また、腕組みをすると子どもに威圧感を与え、話をしにくくしてしまいます。この時も子どもは自分の気持ちを理解してもらえなかったと思うことがあります。子どもの話を聞くときは、目線を子どもに合わせ、話がしやすくなるような表情で聞いてあげることが重要となります。
また、子どもの話に先入観を持ち、聞く前から結論を決めつけると、子どもに理解していない印象を与えるうえに、話したくなる気持ちを台無しにしてしまいます。
子どもがより話やすくなるような話の聞き方を心がけることで、子どもは自分の気持ちを理解してもらえたと思うようになります。

子どもは話をすることで、大人との関係を深め、無意識のうちに言葉の学習をしています。子どもが話をする時に、自分の気持ちを理解してもらえたと子どもが思うような話の聞き方をすることで、子どもにとってプラスになることはたくさんあります。子どもと大人との関係が深まること、子どもの言葉の表現が豊かになること、話すための筋肉が発達すること、子どもが伝える力を身に着け社会性が向上すること等といった、子どもが成長する要因が、話を聞くことにはたくさんあります。
子どもが話をしている時は、しっかりとその話に耳を傾け、最後まで聞いてあげてください。さらに、どんどん話をさせるためにも、子どもの言葉を反復して、話の内容や気持ちを理解していることを感じさせてください。そのようにすることで、子どもに安心感を与えることができます。さらに、その安心感は子どもとの信頼関係にも発展するため、大切にしたいものです。