子どもの性格に関する心理学として、有名なものとしてサイモンズ式分類があります。
サイモンズ式分類では子どもの性格には親の育児態度が大きく影響すると考えられています。もちろん、親の育児態度以外にも周囲の環境や遺伝、子ども自身の容姿や才能等も、子どもの性格を形成する要因となります。しかし、親の育児態度が子どもの性格に深く関与することは、いずれにしても間違っていません。
親が子どもに対して、どのような育児態度を取ると、どのような性格になるのかについて以下に紹介していきます。
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子どもの性格は親の影響を大きく受ける(サイモンズ式分類)

子どもの性格はどういった心理や経験を経て決まるかについて、サイモンズ式分類という有名な分類があります。
サイモンズ式分類とは、子どもの性格の親の養育態度にどのような関連性があるかを研究して分類したもので、ここには一定の法則をみることができます。
サイモンズ式分類では、親の態度は「支配」「服従」「保護」「拒否」の4つに分けられます。
さらにそれらが組み合わさったものとして、「支配と保護の過保護型」「保護と服従の甘やかし型」「拒否と服従の無視型」「支配と拒否の残忍・残酷型」と分類されます。
このサイモンズ式分類を知ると、子どもが将来どのような性格になるのかがわかるということです。
この分類の内容を以下に紹介していきます。

支配型

子どもに対して、威圧的に命令をしたり、ものごとを強制するという育児態度です。支配型の育児をすると、子どもは従順になりますが、親の顔色をうかがうようになり、自発的に動くことができない消極的な性格になりやすいと言われています。
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服従型

支配型とは反対に、親が子どもの顔色をうかがう育児態度です。親が子どもの言いなりになって、好きなことを好きなだけさせたり、欲しいものをなんでも与えるといった状態です。服従型育児をすると、子どもは人の言うことを聞かず、時には乱暴にするなど、自己中心的な性格になると言われています。さらに無責任で不注意な性格がみられることもあります。

保護型

いわゆる過保護な教育のことです。親に守られて育った子どもは、身を守る方法を上手に身に着けられないことがあります。ただし、保護型育児で育った子どもは精神的に安定し、人に対して親切にするようになるともいわれています。一方で親の保護から離れた場所に好奇心を見せることもあります。

拒否型

保護型とは反対で、親が子どもに対して無視や拒否をするといった育児態度のことです。
親に拒否され続けた子どもは、不安を感じたり落ちつきがなくなったりといった神経質な性格になることがあります。また、周囲の気を引こうとして、乱暴なことや反社会的な行為をしてしまうこともあります。さらに、冷淡な性格になりやすいともいわれています。

支配と保護の過保護型

子どもの世話を焼き過ぎて、子どもの自発的な行動機会を奪っている育児状況です。過保護型育児で育った子どもは依存心を持ちやすくなったり、集団になじみにくくなったりする傾向があります。また、子どもの依存心が強くなり、幼児的なふるまいが抜けなくなることもあります。
 
 

保護と服従の甘やかし型

子どもを極度に甘やかし、何でもしてあげる状態のことです。甘やかし型育児で育った子どもは、自己中心的で忍耐力のない、反抗的な性格になる傾向があります。さらに甘やかし方育児では、人を尊敬できなくなるともいわれています。

拒否と服従の無視型

子どもが親に無視されている状態のことです。無視型育児で育った子どもは、警戒心が強く、神経質で寂しがりな性格になる傾向があります。また、子どもは親が何を思っているのかわからないため、情緒不安定になるとこもあります。

支配と拒否の残忍・残酷型

親に無視されながらも、支配されている子どもにとって窮屈な状況のことです。この残忍・残酷型育児で育った子どもは強情な性格になりやすく、親から逃れようと逃避行動をすることもあります。
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サイモンズ式分類をさらに発展させた考え方

サイモンズ式分類をさらに発展させた考え方によると、親の養育態度と子どもの性格との関係は大きいものであると考えられています。以下の左に親の性格、右に親の性格によりなり得る子どもの性格を表します。
・支配的な態度→従順、自発性がない、消極的、依存的、温和
・過保護、かまいすぎ→幼児的、依存的、神経質、受動的、臆病
・受容的→思慮深い、親切、情緒安定
・甘やかし→ワガママ、反抗的、幼児的
・服従的→無責任、従順でない、攻撃的、乱暴
・無視→乱暴、攻撃的、情緒不安定、創造性に富む
・拒否的→神経質、反社会的、注意を引こうとする、冷淡
・残酷→強情、冷酷、逃避的、独立的
ただし、親の養育態度は必ずしも親の性格から発生するものとも言えません。親と子どもが置かれている環境によって、必然的に出てくる態度であるとも考えられます。
例えば、子どもが生まれつき病弱であれば、親が過保護になることは必然的な流れであります。また、特に心配がなさそうな子どもなら、ある程度は放任することもあります。
今回紹介したサイモンズ式分類や、それを発展させた考え方による分類にあてはまらないパターンもたくさんあります。しかし、親の行動や態度は、子どもにとって大きいものであることには変わりはありません。日本でも古くから「子どもは親の背中を見て育つ」という言葉があるように、子どもの親は、自分の行動や態度が子どもに多大な影響を与える可能性があるということを認識する必要があるといえます。
アメリカの心理学者バンデューラは「子どもは大人に命令されたことはしないで、むしろ大人たちのやっていることをマネをする」と言う言葉を残しています。つまり、子どもは命じられたり教えられたことよりも、周りの誰かをお手本にマネをすることによって学んでいくものだということです。心理学では、子どものこういった行動を「モデリング」と言います。
子どもにとって最も身近なモデルと言えば、一緒に生活をしている親といった大人です。親の方が意識していなくても、子どもは親の日頃の行動や姿から、様々なことを吸収しています。子育てにおいて正解というものはありませんが、子どもにとって、親の影響は想像以上にい大きいという認識を持つことは重要であると言えます。

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