子どもの心理検査とは、広い意味で知能水準や発達水準、パーソナリティといったことを評価するための検査のことを言います。

検査を行う目的は子どもやその背景によって様々です。子どもが成長していくうえで、発達障害の可能性が感じられた時に受診するための、代表的な検査と、その概要、特徴をご紹介いたします。

KIDS(キッズ)乳幼児発達スケール

子どもの行動をよく観察している親などが、約130項目の質問に〇×で回答していく検査です。検査する領域ごとに〇の数を集計し、換算して発達年齢を求めます。自治体にある児童発達支援センターや、自治体の家庭児童相談室、子育て支援課の支援クラスでも実施していることもあります。発達障害に関する心理検査の中では、比較的簡単な検査でもあります。場所や時間の制限を受けることなく、どこでも短時間で診断することができます。

1989年に「交易財団法人発達学研教育センター」より発表されました。全国38都道府県の乳幼児約6000人によって標準化された心理検査です。

・対象年齢:0歳1か月~6歳11か月の幼児

・実施時間:10~15分

新版K式発達検査

一対一で個室で実施される個別式検査です。主に音がなるおもちゃやミニカー等、乳幼児が興味を持つものを用いて行う検査であるため、子どもの自然な行動を観察できます。ただし、あくまでも子どもの自然な行動を観察して行うため、複数回実施することもあります。また、検査課題に対し、子どもが過度に緊張している場合は強要せず、興味や注意が持続することができるように気を配り、十分に力を発揮できるように配慮されます。

京都市児童院より1983年に「新版K式発達検査増補版」が刊行され、さらに、2001年に「新版K式発達検査2001」が刊行された検査方法です。

・対象年齢:0歳~成人

・実施時間:30分~1時間

ITSP乳幼児感覚プロファイル(Infant Toddler Sensory Profile)

乳幼児の保護者が質問票に回答し、検査者がスコアを集計するといった検査方法です。その質問票は、「聴覚」、「視覚」、「触覚」、「前庭覚」、「口蹄感覚」のセクションに分けられています。0~6か月向けとしては計36項目、7~36か月向けとしては計48項目で構成されています。

0~6か月の子どもについては「低登録」、「感覚探求」、「感覚過敏」、「感覚回避」といった4つの象限、7~36か月の子どもについてはそれに加え、セクションごとに評価することができます。

各象限、各セクションについて、月齢群別のカットスコアを用いて3段階、あるいは5段階で評価します。

・対象年齢:0歳~3歳

・実施時間:15分

田中ビネー知能検査

1対1で実施される検査です。言葉をほとんど使うことなく、課題をすべてジェスチャーで教示し、子どもが動作で答えるといった形式の心理検査です。言葉が十分に発達していない子どもや、聴覚障害がある子どもの発達診断に有効です。子どもが興味を持って取り組むことができるやめ、実施しやすい検査でもあります。

14歳以上の被験者には精神年齢を算出せず、もっぱら偏差値知能指数のみを求めるようになっています。

子どもの発達障害に関する心理検査の中では比較的古くからある検査方法で、実施している機関が多いです。

心理学者の田中寛一によって出版された日本のビネー式知能検査の一種です。田中教育研究所より、1947年から改正を受けつつ、2003年に「田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)」として発表されました。

・対象年齢:2歳~成人

・実施時間:30分~1時間

遠城寺式乳幼児分析的発達検査

保護者と子どもの関りを観察者がチェックする心理検査です。特に心身障害児の発達状況を比較的簡単に検査し、発達グラフに表して、一見して発達障害の部位や程度を把握することができます。さらに、そのまま検査結果を発達指導にも役立てることもできることも、この検査方法の特徴です。

検査内容として、「運動」、「社会性」、「言語」といった3分野から質問され、「移動運動、手の運動、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解」の6つの領域で診断します。

1958年、九州大学の遠城寺宗徳教授達によって発表されました。日本初の乳幼児向けの発達検査方法でもあります。

・対象年齢:0か月~4歳7か月

・検査時間:約30分

MEPA-R(MEPAの改訂版、Movement Education and Therapy Program Assessment-Revised)

子どもの発達を、運動と感覚(姿勢、移動、技巧)、言語(受容言語、表出言語)、社会性(対人関係)の3分野6領域にわたって検査します。結果に基づいてそれぞれの指導方針を示します。

動きづくり、感覚運動統合、身体意識能力、知覚運動、精神運動等の発達を目的とする教育や養護、訓練等に役立つように構成されています。

検査の項目が簡単で日常的で、そのほとんどが日常の生活、活動や遊び場面での観察によって評定することができます。

・対象年齢:0か月~6歳

・実施時間:40分

乳幼児発達検査器セット

言語面における発達が遅い児童もそのハンディキャップによって著しい不利を受けることなく検査を行うことができます。言語面と作業面の両用の発達測定ができます。ミネソタ就学前尺度の長所を取り、愛研法、田中ビネー法、鈴木ビネー法の問題についても標準化実験によって検討を加え、構成された検査器セットです。

検査用具は、どれも子どもにとって親しみやすい型式のもので構成されています。

検査用具を問題ごとに分類した袋の綴りがあり、問題の順序に従って綴じられています。この袋によって、検査を行うことができます。

2歳級から6歳級に至る各年齢階級ごとに6問ずつを配当しています。採点は自己採点で行われます。

・対象年齢:2歳~6歳

・実施時間:50分

 

以上が子どもの発達障害に関する心理検査の紹介です。もちろん、今回紹介していない心理検査方法もあります。検査を受診の際は、検査機関とよく相談をし、子どもにとってより適切な検査方法をお選びください。

また、子どものための心理検査は公的病院や民間病院、児童発達支援センター、その他の機関で受けることができます。

受け方や費用、検査内容の詳細は各病院や施設によって異なります。受診する際は、受ける病院や専門機関等に問い合わせの上、確認してください。