児童心理司の仕事内容やなる方法、仕事のメリットなどについて紹介します。

児童心理司とは

児童心理司は児童相談所や更生相談所、知的障害者施設、身体障害者施設などで、心理診断を用いた業務を行う心理学の専門職員です。地方公務員になってから、任用されて認められる資格です。職員の多くが大学や大学院の心理学を専攻していて、臨床心理士の資格を必須としているところも少なくありません。

仕事内容

子どもを取り巻く家庭や学校、子どもが抱えている問題、子どもが必要としていることを把握して、子どもやその家族に良い結果をもたらせるようにサポートする仕事です。やりがいのある素晴らしい仕事ですが責任が大きい難しい仕事でもあります。療育手帳交付の心理判定や、0~18歳までの子どもやその家族の相談に応じ診断面接や心理検査を行い対象者の状況を把握し、心理療法やカウンセリングを行い医師や福祉関係者と連携して問題解決の方法を模索します。基本的には相談業務を行い非行の相談、虐待相談、障害相談、保険相談などがあります。相談に対して市町村と連絡を取り合いながら解決します。また、児童福祉司などと連携して一時保護された子どもに心理療法を施します。場合によっては心理判定と心理療法を別の人が担当し、心理判定はすぐに判断ができない場合が多いので子どもとのさまざまな活動を通して観察します。児童相談所は発達、行動、性格、非行、児童虐待など子どもに関する様々な問題の相談に応じます。育児放棄や虐待をされた子どもがいれば、子どもだけでなく家族の心理状態を判断します。発達相談所では保健所で発達に何らかの支障が見られた子どもに対して、精密な発達検査を行います。検査結果から子どもの得意なことや苦手なこと、物事の捉え方の特徴などを知り、保護者に検査結果と日常生活でのサポートの仕方を説明します。家庭での問題行動や学校に適応できない子どもの相談にも乗ります。検査によって原因が分かれば保護者や学校の担任にサポートの仕方を説明します。さらに必要であれば、学校の先生や児童相談所のケースワーカーなどと連携をとります。児童相談所の児童心理司の人数は増員されていて、児童福祉司3人に対して2人以上を配置することが目標とされています。

児童心理司になるには?

児童心理司は認定試験や国家試験はありません。児童心理司は地方公務員なので、まず地方公務員採用試験に合格しなければいけません。公務員の心理職は募集人数が少ないので競争率が3~15倍と高いです。採用が多い東京都で20名程度、他県では1~5名で採用しない自治体もあります。自治体によって採用数や受験資格は異なります。通常は30歳までの採用ですが、30歳以上を採用する自治体もあります。試験は筆記テストを行う一次試験と、面接や適性検査を行う二次試験があります。一次試験は教養問題、専門問題、論文問題が出題されます。論文問題は二次試験が終わってから実施する自治体もあります。教養試験問題は大学卒業レベルの問題です。二次試験は個別面接、集団面接、集団討論、適性検査などが行われます。受験資格は自治体によって異なり、基本的には四年制大学を卒業し年齢条件を満たしたら問題ありません。ただし大学の心理学系科目を一定以上取得し、心理系大学を卒業する必要があります。自治体によっては臨床心理士などの資格要件を課す場合があります。最近は虐待や育児放棄など、心の問題がある子どもや保護者が増えています。児童心理司が増えることが望まれますが、追いついていないようです。幼い子どもが虐待される事件が後を絶たない現代なので、児童心理司の仕事に興味を持つ人が増えています。

児童心理司になるメリット

自治体は学校や医療機関よりも収入が安定しています。収入が低い職場の原因は正規雇用として採用されにくく、予算の都合で勤務時間が制限されることです。しかし自治体の児童心理司になれば、安定した収入を得ることができます。地方公務員の月収は約40万円ほどで、民間勤務よりもはるかに上回っています。また、公務員だと福利厚生が充実しています。女性の場合は育児休暇を最大3年間取得でき、長期の育児休暇を取得しても職場復帰しやすく仕事と育児を両立しやすいです。

児童心理司は非行、虐待、登校拒否、障害など様々な問題を抱えた子どもと向き合います。児童が抱える問題と学校や家族が訴える問題が違うこともあり、簡単に解決しない問題であることがほとんどです。しかし、児童心理司が相談に乗りサポートすることで、理解しようとしてくれる人がいることや、一人ではないと感じてもらえるので子どもにとっては心の拠り所になります。解決方法を一緒に見つけることが大切であり、問題によって児童や親への指導も行わなければなりません。子どもが抱えている問題は深く難しいことが多いので、じっくりと時間をかけて向き合う必要があります。児童や保護者の変化を観察して少しでもいい環境になるようにサポートし、子どもが少しずつ心を開いて笑顔を見せてくれたり、心強く感じてくれればそれは児童心理司にとって大きなやりがいになります。

ストレス社会である現代では、うつ病などの精神疾患が現代病になっています。そのような疾患は大人だけでなく子どもがなることもあります。児童心理司は毎日たくさんの人と接する仕事であり、似た人でも考え方は人によって異なり、できるだけ理解するためには相手の立場になって考える思いやりや柔軟な思考が求められます。子どもだろうが大人だろうが心に問題を抱える人と接することは簡単ではありません。簡単に心を開いてもらうことは難しく理解に困ることもあり、臨機応変に対処しなければいけないので精神的に疲れることもあります。人の心の問題の解決ははっきりした正解はなく、子どものためになると思ってしたことで反発されることもあります。緊急性が高い時は夜中でも子どもの元に駆け付けなければならず、危険に見舞われることもあります。ですが、自分の言葉でたくさんの人を救うことができ、不安を抱えた子どもや保護者を明るくすることができます。問題を解決して力になれた時や子どもの笑顔が見れた時は、とてもやりがいを感じられる仕事です。