子どもがどのような時に喜びを感じるかや、子どもの感情発達、感情発達において重要なことなどを紹介します。

赤ちゃんの感情の発達

赤ちゃんをあやすと手足をバタバタさせて、全身で喜びを表します。出生時の感情は興奮のみですが、生後三ヶ月ほどで快、不快の感情も持つようになります。六ヶ月になると不快の感情が怒り、嫌悪、恐れの三つの分野ができます。一歳くらいに快に得意、愛の二つの分野ができます。一歳半になると愛が対児童と対成人になり、不快に嫉妬が追加され二歳になると快に喜びが追加されて主な感情が完成します。基本的感情は喜び、悲しみ、嫌悪、怒り、恐れ、驚きの六つで、生後六ヶ月までに発達するとされています。発達を促すには親子の愛着関係がうまくいっていたり、子どもの認知能力の発達が大切です。

赤ちゃんは一歳の後半くらいから照れ、共感、羨望といった新しい感情が出現します。二歳半から三歳にかけて誇り、恥、罪悪感という感情も見られるようになります。この頃に善悪の判断が育ってきます。二歳までは善悪を教える時期なので、悪いことは悪いとはっきり教えるようにしましょう。この時期に大人は子どもが気持ちを意識できるように、感情を認識させてあげるといいです。たとえば「おかしが食べれて嬉しいね」、「おもちゃが無くなって悲しいね」といった風にです。

幼児の感情発達

幼児は周りの人と関わりや、日常での様々な経験を通して感情発達が進みます。直接言われたり間接的な要請によって、自分の感情を調整します。もし幼児がネガティブな感情を出しても頭ごなしに怒るのではなく、幼児の気持ちを認めてネガティブな感情を出さなくても言葉や行動で解決することを両親や大人は教えてください。このような保護者の働きかけを感情のコーチングと呼び、いずれは保護者の手助けがなくても自分で感情を調整できるようになります。感情をコントロールするためには、状況を正確に判断してその場に合う感情を表すことが必要です。他人の感情を読み取ったり推測して、どのような振る舞いをして場の雰囲気に合わせるか、角を立てずに問題を解決するか判断することで、トラブルの少ない社会生活を送れます。この能力が高い人は自分自身の感情をコントロールするだけでなく、他者の感情に与える影響も大きいです。

感情のコントロール能力

感情の制御は日常のあらゆる場面で必要で、生活を豊かにするために重要なことです。感情制御の能力を身につけないと、子どもは攻撃的、怒りっぽいといった性格になり人格は良くない成長をします。感情の制御がうまくできないと、友人を作ることが難しくそれが学校中退や、非行、精神疾患などに繋がることもあります。大人になっても社会への不適応で苦しむ可能性があります。

感情制御が及ぼすいい影響は、欲求を抑えて行動するので目標を達成しやすくなります。勉強においては能力を伸ばすために欠かせず、感情をコントロールする力が高いほどイライラなど余計な気持ちに邪魔されず勉強に集中することができます。しかも、感情制御が得意な学生は、高い注意力と問題解決力を持っています。また、感情制御は子どもに高いストレス耐性を身につけさせることができます。何かで悩んだり困難にぶつかっても、感情制御がうまくできれば自分自身を回復させて心身の健康を損なわずに済みます。逆に言えば、心の問題を抱えた子どもは感情制御の力の低さと関係があると考えられます。感情のコントロールを失った子どもが最も起こす行動障害が反抗挑戦性障害で、うつ病や摂食障害など他の精神疾患になるリスクもあります。

感情制御がうまくできる大人とそうでない大人は、当然人生に対する充実感や幸福度は違います。感情制御をうまい人は人付き合いで感情的にならず、円滑な関係を築きやすいですし仕事でも集中して取り組み成果を出しやすいです。心身も基本的に安定しているので、穏やかに過ごすことができます。このように感情制御は人生にとても影響するので、専門家も子どもの発達においてとても重要であると認めています。

アドラー心理学に見る子どもの喜び

アドラー心理学では人は孤独であり他人は敵という認識を持っているとしています。自分の親や子どもであっても、感覚や考え、行動の仕方が違います。このように全く同じではないので孤独といわれています。しかし完全に孤独では人は生きられません。赤ちゃんが泣けばお母さんがミルクをあげ、お父さんが病気になればお母さんや子どもが看病をします。学校では先生は生徒に教養や社会性を教えますし、職場では上司が同僚の仕事をサポートします。私たちは孤独である個人が他人を仲間として、共感したり協力しあって生きています。人間のどんな行動も周りの人は仲間であり、大切にされているという所属することが目的になっています。人は自分の存在や行動に価値があると思えると勇気づけられ、また違う目標に挑戦することができます。

子どもが社会に出て自分の道を切り開くためには、自分には能力があると信じ、困難に立ち向かう勇気が必要です。そのためにも、「自分にはたくさん能力がある」、「ここが自分の居場所なんだ」と両親が気付かせたりそうした環境を整えることが大切です。こうした勇気づけは他者に貢献する喜びを育みます。他者に貢献する喜びを知った子どもは、大人になっても誰かの役に立つことを自然と行えるようになります。親は子どもが周囲と調和しながら自分の個性や能力を発揮して充実した人生を送ってほしいと思うものです。そのために参考になる精神的健康の3条件があります。まずは自己受容であり、ありのままの自分を認めることです。次は他者信頼で、周囲の他者を信頼することです。最後は他者貢献で、自己犠牲ではなく他者に貢献することです。子どもが他者に貢献する喜びを知るには、貢献の経験を積むことが重要です。まずはお母さんやお父さんなど身近な人に貢献します。テーブルを拭いてくれた、洗濯物を畳んでくれたなど些細なことでも、手伝ってくれたらお礼を言いましょう。そうすると子どもは自分が人の役に立つことができると自信を持ち、進んで役立つことをしようとするようになります。