子どもの心理テストの絵にはどのような心理が隠れているのでしょう。アートセラピーの観点から紹介します。

アートセラピーとは?

アートセラピーは絵を描くことで子どもの気持ちを解放するカウンセリングの方法です。子どもは絵を描くことに没頭することで癒されていきます。子どもが何気なく描いた絵の構図や色使いから心理状態がわかりますし親子のコミュケーションに役立ちます。想像した子どもの気持ちと絵に表れたことととても違うこともあり、子どもの気持ちをより理解することができます。言葉では表しにくい感情でも、絵を描くことですんなり表すことがあります。絵の上手い下手は関係なく、気軽な気持ちで受けるといいでしょう。一般的にアートセラピーは自閉症や発達障害の子どもによく用いられます。子どもが思っていることを上手く表せなかったり表す言葉を知らなくても、曖昧な気持ちを表すことを手伝ってくれて気持ちがすっきりします。アートセラピーで硬くなった心をほぐしたり、わからなくなった気持ちを再認識する効果もあります。喜怒哀楽を認識できる状況が整っていると心身のバランスをとりやすく、負の感情でも誰も傷つけることなく表すことができます。

アートセラピーの解釈はさまざまなので、いろんなタイプのアートセラピストがいます。アメリカやイギリスではアートセラピーが学問として確立されていて、大学や大学院で専門的に学んだ人が活動しています。心理学者が療法の一つとして取り入れることもあれば、アートセラピストとして活動する場合もあります。日本ではまだ学問として確立されていません。アートセラピーを学べる資格はたくさんあり、どのような知識を習得してどのように活動したいか考えて選ぶ必要があります。養成講座は通信講座などで学ぶことができるので、学びやすい環境が整っています。資格を取得したら自分で教室を開いたり、教育機関やボランティアでアートセラビーを行うなど活動の場は様々です。保育や教育に携わる人がスキルアップのために学ぶこともおすすめです。

アートセラピーの観点で絵を分析する

絵は能力や自分らしさに関する右脳と関係しているので、精神状態が表れます。絵を描くと没頭できるので、心にいい影響を与えて気分転換にもなります。まだ言葉でうまく伝えられない子どもは、絵を描くことで自己表現をして気持ちを落ち着かせることができます。右脳は無意識の領域であり、私たちが意識していることは少しで意識できていないことのほうが多いです。日常で感じるたくさんの感覚が意識の上に上がると情報が多すぎるので、必要なことだけが上がって行動に移されるのです。子どもは成長するにつれて思考力を身に着けて善悪の判断ができるようになりますが、これが自由な発想の邪魔をしてしまうことがあります。しかし、絵を描く時は自由な発想で脳全体の活動が活性化します。想像力や集中力が増して、学習能力が上がることが期待できます。

子どもの絵を分析する時は、何が描かれているか、どこに描かれているか、どんな色が使われているか様々な点に注目します。描かれているものには意味があります。たとえば、ハートは愛情、食べ物は生理的欲求といったようにです。また、絵のアイテムがどこに描かれているかで意味が異なり、右上は目的や行動、右下は家庭的なものや現実、左上は精神活動、左下はトラウマです。直感的に選んだ色に心の状態が表れます。赤色はエネルギーが強く、好奇心旺盛であったり意欲的な子どもがよく使います。青色は高い集中力や自立心を表します。黄色は子どもが楽しい気持ちの時によく使います。自己アピールをしたい気持ちや甘えたい気持ちを表すこともあります。緑色はリラックス効果があり、休みたい時やマイペースに過ごしたい時に使われます。ピンク色をたくさん使う子どもは幸福感が強く、初恋をしたり異性に興味がある場合もよく使われます。白色は完璧を表す色と言われていて、白色を好む子どもは完璧主義や神経質な傾向があります。黒い絵は不安や恐怖を強く感じていて、外に吐き出せない感情をため込んでいることを表すので注意が必要です。寒色ばかりだと悲しみや寂しさなどマイナスの気持ちが強く、激しいタッチなら強い不安や恐怖を感じています。男の子より女の子のほうが色彩のこだわりが強く、カラフルな色を使いたがります。表現の仕方や色の塗り方にも心身の状態が表れます。雑な塗り方はストレス、描かれたメンバーとの距離は心の距離、自分だけがいない絵は自己肯定感の低さ、描かれた目は大きく見開いていたら警戒心、目が閉じていたら見たくない気持ち、口は依存性を表し大きいなら甘えたい気持ち、口が書かれていないなら甘えられない気持ちなどです。絵の大きさは大きければ自信があり、反対に小さければ自信がなく、背景がなかったり自分がポツンといる絵なら孤独を感じています。子どもの絵の色使いが変だったり最近変わったなら、色の意味について調べるといいでしょう。

分析ポイントだけの観点ではなく、もし気になるアイテムがあっても全体的に明るいなら精神状態は問題ないといえます。絵に気になる点があるからといって過度に心配する必要はなく、子どものことは否定せずにどのような気持ちで絵を描いたのか子どもの気持ちに寄り添うようにしましょう。自分の価値観を押し付けずに子どもの世界観を尊重して、絵だけで分析せずに絵について話しながら子どもの気持ちを見つめます。何を描いたのか深掘りしたりアドバイスをすると、自由な気持ちや想像力を邪魔する可能性があります。もし子どもに絵の感想を聞かれたら、評価はしないようにしましょう。なぜなら子どもは親の評価するような絵ばかりを描くようになり、自由な発想の邪魔をしてしまうからです。感想を聞かれたら子どもがどう思うのか聞き返しましょう。その答えに対してどの辺がうまく描けたと思う?やどうしたらいいと思う?というように、子どもの気持ちを受け止めるようにします。絵を描くときに親子で会話をすることはとても良いことで、絵を描くとリラックスした状態になりありのままの気持ちをそのまま受け止めてあげましょう。子どもの自由な表現に素晴らしい才能が表れることがあります。親がありのままの自分を受け入れてくれた経験が、自信に繋がりチャレンジ精神を育てます。