子ども心理学がどのような学問なのか、心理学者が提唱した考えや子ども心理学に基づいた子育てに役立つ情報を紹介します。

子ども心理学とは?

子ども心理学は子どもの身体の発達と特に心の発達に焦点を当てて、子どもの自己認識や心理プロセスについての学問です。19世紀に生物学的な観点で始まり、20世紀に心理分析や認知心理学などと合わさって分野を広げました。子どもの言語、運動、感情、認知などについて研究します。子どものメンタルヘルスの分野でパラメーターやコードを設定して、それぞれの発達段階が子どもにどのような影響を及ばすのか研究します。また、子どもの成長環境を理解し、環境の変化が子どもの精神にどのように影響するのか調べます。子どもの発達は自らの経験を通して、豊かな感情や新たな能力を獲得する過程です。子どもは身近な人や自然との関わりで、主体的に学び行動することで様々な側面が影響しあって、身体的発達や情緒的発達など総合的に発達します。子どもによって違う資質や特性があり、成長には個人差がありますが共通する特徴があります。発達段階にふさわしい行動をすることで、子どもは視野を広げて認識力を高め自己探求を深めるのです。

乳児は視覚や嗅覚など感覚が鋭敏で、笑ったり泣いて欲求を表現します。両親など特定の大人との関わりで、愛着が深まり情緒が安定して人への信頼感を育みます。幼児期になると身近な人との関係を深め、関心の対象を広げて社会性を発達させます。自分と異なる他者の考えに気付き、相手の気持ちを考えたり自分の感情を表現して共同的な学びを経験します。現代の乳児を取り巻く環境は子どもが人や自然に触れる機会が少なく、ふさわしい生活をしずらいことや、保護者の養育力の低下や児童虐待の増加が指摘されています。学童期は善悪の判断ができるようになり、言語能力や認識力も高まります。この時期に重要なことは社会でルールを守る態度や善悪の判断を覚えることや、美しいものに感動する感性を育てることです。自分のことを客観的に見ることができるようになり、知的な活動ではより深い探求をするようになります。自己肯定感を持ち始めますが、自己を肯定できず劣等感を感じるようになる時期でもあります。この時期で重要なことは自己肯定感の育成や、自他に対する尊重や思いやりを育てること、集団での役割や責任意識を持つことなどです。しかし、地域的つながりの希薄化や、子どもどうしの交流が減少しているので子どもが十分に社会性を身に着けられないことが指摘されています。青年期では自意識と客観的事実との違いに葛藤し、家族よりも友人との関係を重視します。社会に参加して自立した大人にための準備期間でもあり、社会でどのように生きるのか模索します。この時期に重要なことは自分の個性や適性を探求し課題と向き合うことや、法や決まりを理解し社会の一員であることを自覚した行動などです。将来について考えることを放棄し刹那的な快楽を求める若者が増えており、仲間とは濃密な人間関係を持ちますが集団以外の人には無関心で社会に対する関心が低下していることが問題になっています。

エリクソンの発達段階

エリク・H・エリクソンはアメリカの発達心理学者で、人の発達は八つの段階に分かれると考えました。0~1歳の乳幼児期は母親との関係が大切で、誰かを心から信頼できるようになることが重要な時期です。1~3歳の幼児前期は両親との関係が大切で、自分の意志で生活のコントロールを学びます。3~6歳の幼児後期は基本的家族との関係が大切で、自分の考えで自分で行動することを学ぶ時期です。6~12歳の児童期は近隣や学校での関係が大切で、何かを成し遂げる体験や努力することを覚える時期です。12~20代半ばの青年期は仲間集団との関係が大切で、自分の性格や生き方を模索してアイデンティティを確立します。二十代後半~三十代半ばの成人前期は友人や競争する相手との関係が大切で、特定の異性と親密な関係を持ち相手を大切にする気持ちを育む時期です。30代後半~60代半ばの成人後期は家族との関係が大切で、次の世代の人に経験や知識を継承する時期です。それぞれの時期に発達課題がありますが、エリクソンは特に乳児期と青年期が大切としています。乳幼児期の周りの人に対する信頼が、その人の一生の人間関係の土台になります。この時期に虐待などを受けて、人を信頼できない子どもの心のケアはとても難しいです。青年期は気持ちが不安定になりやすく、問題を抱えやすい時期です。また、自分の進路を考える時期でもあり、ここまでの発達段階でほとんど人格が形成されます。人はいつも何か課題があり、生涯に渡り悩みながら成長し続けます。児童期くらいまでは子どもの周りにいる人が、発達を意識して関わることが大切です。青年期からは自分で行動して生き方を決めるので、子ども自身が発達段階について理解することで生きやすくなります。親は子どもを信頼していて、いつでも助けるという態度を示しましょう。

子どもにとってなぜ遊ぶことが大切なのか?

子どもにとってなぜ遊ぶことが大切なのか、子ども心理学の観点で見てみましょう。子どもはよく遊びますし同じ遊びを何度も繰り返します。子どもが遊ぶことが発達にどのように影響するのか知れば、親も積極的に一緒に遊んであげようと思うのではないでしょうか。ヨハン・ホイジンガは遊びについての理論を展開し、遊びことが人間と他の動物を最も分かつ行為だとしました。文化はすべて遊びから生まれたというのです。たとえば鬼ごっこは足腰と機敏性を鍛えますし、鉄棒は身体能力を高めます。積み木やお絵描きでの試行錯誤が、創造性や柔軟性を伸ばします。ごっこ遊びが特に発達を促すとされていて、ルールがなく自由な発想で遊べるので創造性や柔軟性を養うのに最適です。また、コミュニケーション能力も伸ばします。ごっこ遊びではその行為が演じることであり、集団で一定のルールがあることなどを理解する必要があり、知能やコミュケーション能力が発達します。子どもと遊ぶ時はその行為がどのような発達を促すか意識したり、親が遊びを提案することもいいでしょう。