子ども心理学を学んだ人はどのような就職先があるのか、代表的な職種を取り上げて紹介します。

子ども心理学を学んだ人の就職先

心理カウンセラー

いじめやうつ病などの心の問題など、幅広い内容の相談に応じます。カウンセリングは相手の目線に立って、心理学の知識を用いながら行います。人の気持ちに寄り添いたい人や苦しんでいる人を救いたい人におすすめです。カウンセリングではアドバイスをするだけではなく、高度な心理学の知識や技術が必要なので専門性を高めることが大切です。クライアントとの会話だけでなく、相手の行動や服装からも様々な情報を読み取ります。複雑な心理テストを行いクライアントの深層心理を読み解く必要もあります。心理カウンセラーになるために絶対に必要な資格はありません。活動の場は幅広いのでどのように活動したいかによって、必要な知識や技術は異なります。民間資格や任意資格は存在していて、専門知識が必要なので資格を取る心理カウンセラーが多いです。コミュニケーション能力も必要であり、相手の気持ちを引き出すために話しやすい態度や雰囲気づくりも大切です。感情論ではなく論理的な思考が求められ、誠実さや観察力も必要です。

心理学者

心理学者になるためには大学院に進み、大学時代に一定の成果を出すことが必要です。心理学の統計は試行回数を重ねるので地道に取り組まなければなりません。大学で心理学を専攻するのが一般的で、大学院では心理学の専門知識が問われるので違う学問を専攻すると入試のハードルが高くなります。博士課程まで進むことが必須であり、この期間に研究を深めて様々な場所で発表し実績を積みます。研究所所員の募集はとても少なく、研究機関のある一般企業が募集することがあります。若手研究者はキャリアの最初から常勤職につくことは容易ではありません。任期付きの研究員になったりカウンセラーをしたり、中学高校の非常勤講師として働くことなどが多いです。常に新しい研究に臨むことが求められます。

臨床心理士

臨床心理士の倍率は高く就職先も少ないのでなるのは難しいです。試験を受けるためには心理学を学べる大学院に行く必要があります。臨床心理士は最も専門性の高いカウンセリングの資格です。カウンセリングや心理テストの技術を身に着ける必要があり、人的援助のコーディネート能力やコンサルティング能力も必要です。心理査定も行いこれはクライアントの情報を収集して問題を解決することです。行動観察法や面接法が良く用いられ、行動観察法はクライアントの様子を探り面接法はカウンセリングをすることでクライアントの心の問題を明らかにします。集団を対象としたカウンセリングもあり、企業の複数のクライアントを対象としたり震災の起こった地域の住民を支援します。臨床心理士の職場はたくさんあり、医療保健関係や福祉関係では精神疾患のあるクライアントや病気が原因で精神的な問題を抱えたクライアントのケアを行います。教育機関の保健室や教育センターでも活動します。主に生徒がクライアントであり、学校や家庭での問題を扱うことが多いです。司法警察関係や産業関係では刑務所や鑑別所などで、司法に関した相談が多いです。加害者だけでなく被害者の心のケアをする場合もあります。産業関係では企業の労働者のストレスを緩和します。労働時間の長さや人間関係、仕事のプレッシャーなど仕事でストレスを抱える人が多く、そういった人のワークライフバランスを安定させることが目的です。このように臨床心理士の活動の場は幅広く、それだけ需要があります。2018年には公認心理士という新しい資格が登場しました。臨床心理士と公認心理士は資格を取得するのに大学院を卒業しなければいけないのは同じですが、違いは公認心理士は医師の指導のもとに業務を行いますが臨床心理士は医師と連携して協力して業務を行います。

公務員心理職

どこの地域にもあるわけではありませんが、人と向き合うやりがいのある仕事です。仕事内容は勤務先の省庁によって異なりますが、心理学の知識を活用して個別ケースの支援をしたり総合職として企画立案や設計をします。法務省専門職員は三つの職種があり、法務技官、保護観察官、法務教官です。法務技官は少年鑑別所や刑務所に勤務し、心理学を用いて非行や犯罪の原因分析をしたり、非行少年や犯罪者を立ち直らせるために指針を示します。保護観察官は保護観察所などに勤務し、家庭裁判所で保護観察処分を受けた少年などの教育や指導を行います。本人の資質や能力を引き出して再犯をせず、社会で自立できるように援助します。担当少年のサポートのほかに、家庭相談所や児童相談所などと連携して活動します。法務教官は少年院や少年鑑別所などに勤務して、非行少年などが健全に社会生活を送れるように指導や教育を行います。収容中だけではありますが、非行少年と深く関わります。少年院では生活指導や対人関係指導などが行われ、社会で生きるために必要なスキルを対象者に教育します。担当する非行少年と接することが多いので、心理学の知識だけでなく人間性や包容力が求められます。裁判所総合職は主に家庭裁判所に勤務し、心理学の知識を生かして非行少年などと関わる家庭裁判所調査官になるための試験です。試験に合格すると家庭裁判所調査官補として採用され、約2年の研修を受けます。研修は裁判所で実施される実務研修と、裁判所職員総合研修所で実施される研修があり、対人援助に必要な心理学を含む人間科学と、裁判所で働くために必要な法律の知識を学びます。

AI時代でも心理学の仕事は将来性がある

イギリスのオックスフォード大学は研究に基づいて、将来的に残る仕事を発表していますが心理学関係の仕事がたくさんランクインしています。AIが進化する将来も心理学関係の仕事は残り続けると考えられます。AIはまだまだ人間に近づいておらず、人間の本能や感情を理解することができません。現在のAIは学習に特化していて、人と親密なコミュケーションをとることが不可能です。なのでAIが進化しても人と信頼関係を築く必要がある仕事は残り続けます。