子どもが深い悲しみを感じる状況を例に挙げて、子どもの心理や対処法について紹介します。

子どもの悲しみ

子どもが深い悲しみを感じた時、親や周囲の大人は乗り越えられるように手助けをしなければなりません。深い悲しみは人の死と結び付けられることが多いですが、人間関係の喪失、失恋、ペットとの別れなども当てはまります。深い悲しみは痛みや孤独を引き起こすので、正しく対処する必要があり本人がどれだけ打たれ強いかも関係します。誰かを亡くした喪失体験は子どもと寄り添って乗り越えましょう。亡くなった人は戻ってこないと子どもに理解させる必要があります。悲しみなどマイナスの感情を受け入れる必要があり、そうしなければ鬱など精神疾患に繋がり治療しなければなりません。亡くした人がいない環境に適応し、環境や役割を変えていきます。子どもが深い悲しみを処理する間に、幼児退行や罪悪感を抱くことがあります。このような行動は正常ですが、問題行動をしたり家から逃げようとするなら苦しみが大きすぎるサインなので注意が必要です。死を扱った物語を子どもに読ませたり読み聞かせることは、子どもに新しい状況に適応させるのに役立ちます。子どもが気持ちを表現することを促したり、子どもの恐怖心を落ち着ける効果があります。子どもの悲しみが深すぎて心の問題を起こした場合は、カウンセラーに助けを求めるのもいいでしょう。

虐待をされた子どもの心理

虐待をされた子どもは耐え難い苦痛を感じ強い無力感を味わいます。自己評価がとても低いことが特徴的で、それは保護者から「お前は要らない」、「お前はだめな子だ」といったメッセージを受けて自己肯定できなくなるからです。生まれてこなければよかった、誰にも愛されない、居場所がないと感じ深い悲しみと怒りを抱きます。虐待を受けた子どもの心を救うためには、保護者の代わりの大人が1対1の関係を築き、愛着を結ぶ関係を作る必要があります。また、長期間相談にのる人や相談先が必要です。PTSDになる子どもが多く、PTSDとは強い精神的なストレスが心の傷になり、何度も思い出すトラウマ状態が続いて心身が不調になる病気です。人間不信や多重人格になってしまうこともあります。回復に時間がかかることが多く、ショックな出来事があってすぐに発症せず数年後に発症することもあります。心に傷を負った子どもへの接し方は、「大丈夫だよ」と言葉にして伝えたり、そばにいたりスキンシップをして安心感を与えます。指しゃぶりやおねしょなど幼児退行が見られるなら、無理にやめさせずにまずは安心できる環境を作ります。子どもが眠れない場合は、生活習慣が乱れないようにし添い寝や読み聞かせをして安心感を与えて入眠しやすいようにします。

 

離婚が子どもに与える影響

離婚が子どもに与える悲しみは計り知れません。子どもの心理的影響やストレスを察知して、子どもの気持ちに寄り添いましょう。両親の仲が悪かったり親から十分に愛されないなど家庭に問題があると、子どもは精神のバランスを崩しやすく成長しても精神不安や対人不安など問題を抱えやすくなります。こうならないように子どもに適切なケアをすることでストレスが大幅に減ります。親が子どもの話を聞いたり子どもと一緒に問題を解決するのもいいですが、必要があればカウンセラーに相談することも一つの方法です。子どもは両親の愛情を受けて安心し、人や物に愛情を抱くようになります。しかし愛情をあまり得られなければ、捨てられるかもしれないと不安に思い苦しみを抱えてしまいます。こうした苦しみは子どもの年齢に関係なくあり、幼児でも両親が喧嘩をするととても不安に感じますし、小学生の場合は親の関係から緊張を感じ取ったり、仲を取り持とうとすることもあります。親が喜ぶようないい子を演じる子どもや、面白いことをして場を和ませようとする子どももいて、とても気を遣いながら傷ついて生きています。成長するとともに反抗する、精神疾患を抱える、何らかの依存症になるなど問題がある子どもは少なくありません。離婚のストレスは子どもが大人になってからも続きますが、離婚せずに家庭不和の状況が続くのもよくありません。家族によって離婚が最良なら、子どもが安心して暮らせる生活を考えてあげましょう。

災害を体験した子どもの悲嘆反応

死別を経験をした子どもは様々な反応を示します。子どもの状態を理解し、必要なケアをすることが求められます。よく見られる反応は泣きじゃくる、亡くなった人を探す、無関心になる、感情表現が乏しくなる、攻撃的になる、幼児退行などです。自分がいけなかったのではないかと罪悪感を感じたり、自分も死ぬの?など死に関する質問をすることもあります。身体反応は睡眠や食事など生活習慣が乱れたり、頭痛、だるさを訴えるなどです。子どもの状態を評価するポイントとしては、亡くなった人が子どもにとってどのような存在でどれほどの喪失であるか、家庭で支えるくれる人がいるかや家庭内の役割変化、子どもの発達段階です。

子どもの悲しみに対する対応は、死の事実を説明して子どもが乗り越えられるように支えることです。悲しみを癒すには時間が必要であり、子どもが折り合いをつけて生活できるように長期的に考えて接する必要があります。養育者や援助者が抱きしめるなどして、守られている感覚を子どもに与えることも重要です。生存する養育者がいない場合は、代理の養育者を早く見つけて接触できるようにします。ぬいぐるみや毛布など子どもが触れていて落ち着くものを持たせたり、一緒に寝てあげるなどして安心感を提供します。規則正しい生活を送れるように助けたり、学校や地域との関わりを促す、災害後にどのような援助があるのか知り利用するのもいいでしょう。死について穏やかに話し、もう帰ってこないことなどを正直に話します。亡くなった人が望んで死んだのでも子どもを見捨てたわけでもないことを説明します。無理強いをしてはいけませんが、子どもの考えや罪悪感をじっくり聞きます。おもちゃやゲームで遊んだり、運動をして気分転換をすることも大切です。