子ども心理学では、乳児期から学齢期の小学生から高校生に至るまでの子どもの心の成長や変化について研究されています。子どもは、それぞれの年齢や発達段階でさまざまな喜びや楽しさ、悩みや不安を抱えながら成長していきます。ここでは、小学生の子ども心理学を読み解きます。小学生を持つ親御さんが、子どもの成長の中で出会う心の状態にどう対応していけばいいかをご紹介します。

子ども(小学生低学年)心理学から「善悪の判断」を読み解く

小学生の子どもは、幼児期で学んださまざまなことを整理していくという段階です。幼児期には、大人(親や幼稚園の先生)からしていいこと、いけないことを学んできました。そして、低学年の子どもは、心理学的に幼児期で体験(成功や失敗)してきたことの理由を学んでいく段階に入ります。

例えば「友だちを叩いてはいけない」ということについて考えますと、幼児期には「してはいけないこと」として教えられていますが、小学生では「なぜ叩いてはいけないのか」について理解できるようになります。これは、心理学的にも心の発達段階で「叩くと友だちが痛い、友だちが嫌な思いをする、以後友だちが避けるようになる」などという思いや考えを持つようになります。

子ども(小学生低学年)心理学から「小1プロブレム」を読み解く

幼児期を卒業し小学生に入学した子どもが、次のような状態になることを心理学上「小1プロブレム」といいます。これは、多くの1年生が経験しますが、心内にとどめて表面化しない子どももいますが、顕著に現れる子どももいます。その症状は次のようになります。

・集団行動になじめない

幼児が小学生になる時にはある程度の集団行動を学んできているのですが、よく「小1ギャップ」という現象が起こります。幼児期にも集団行動を学んでいますが、質が違います。幼児期には、「整列」をする時に隣の子どもと手をつないではぐれないように歩くことが大きな目的ですが、小学生になると、集団行動というきちんとした学習になります。このギャップを感じることが、心理学的にもよく言われる「小1ギャップ」です。

・授業中に座っていられない

これは子ども本人に責任があるわけではなく、上述の「整列」や「授業中に座って勉強する」などの経験が少ないから起こります。幼児期の子どもは、幼稚園や保育園などで制作や感覚作りを中心に学んでいきます。その園では小学生のようにきちんと座って作業をする、勉強するという活動よりも、地べたでの作業が多く「椅子に座って作業をする」という機会が少ないです。

・先生の話を聞かない

幼児期の子どもは興味がいろいろな方向に向きますから、集中という点では小学生と差があります。入学式での様子をみてもわかりますが、「せんせいの話を聞かない」というよりも「先生の話が聞けない」のです。先生の話よりも周りの友だちが気になって「先生の話を聞けない」のです。この状態が続くことを「小1プロブレム」と言い、習慣化してしまうと心理学の専門家などのアドバイスを受けることになります。

子ども(小学生低学年)心理学から「徳育」を読み解く

徳育は今の大人にも必要と言われていますが、その減点となる時期が小学校低学年です。道徳という科目が定着し、さまざまな事例を基に先生の指導を中心にして意見を言い合うという授業になります。現在の社会において心配なのが「学校教育と家庭教育のギャップ」です。学校では決まりを守ったりマナーよく過ごしているのに、家庭での放任によって決まりやマナーを守らない子どもが、小学生の低学年から実在するということです。

これには、地域と家庭のつながりの希薄化も原因としてあります。学校教育には限界があって、残りの子どもの教育は過程や地域が行わなければなりませんが、親の子育て不安や地域交流活動の減少から、子どもの「徳育」について十分な教育がなされないのが現状です。これによってもたらされる情緒不安定や良好な人間関係作りの欠如が子どもの心の問題として取り上げられるケースが多いです。

子ども(小学生中学年)心理学から「規範意識の形成」を読み解く

子どもが小学生中学年を迎えると「人としてやってはいけないこと」がわかってくる時期になります。そういう時期にありながらも「やってしまう」子どももいます。規範意識の形成という点で劣っている子どもです。その一因として「感性」に触れる活動の未熟さがあげられます。次のような事例があります。

万引きをして警察や学校から厳しい指導を受けた子どもが、学校の道徳の授業では「私は○○だと思います。その理由は△△です。」とはっきりと「人としてしてはいけない」理由まで答えていたというのです。この子どもは、心理学的にも知識の習得ばかりに目がいってしまい、感性が欠けていたと言えます。それほど感性は重要です。

また、集団の中で生活しなければならない世の中ですから規範意識の学びも重要です。いろいろな集団の中で生活していく中で、その集団にある決まりやマナーを守ってこそ仲間に入ることができるということを小学生で学んでおかなければなりません。

子ども(小学生高学年)心理学から「9歳の壁」を読み解く

子ども心理学で「小学生が9歳になると壁にあたる」と言われます。9歳と言えば高学年への入り口ですが、低学年で身に付けた「自分のことを客観的に捉える」という能力に大きな個人差があり、その壁をしっかりと乗り越えている子どもや壁を感じない子どもはいいのですが、壁を大きく感じてしまう子どもにとっては心に悩みや不安をもたらすことになります。その一例が劣等感で、人より劣ることを非常に重く感じます。

子ども(小学生高学年)心理学から「ギャングエイジ」を読み解く

最近子ども心理学でも大きく取り上げられるようになっているのが、このギャングエイジの喪失です。ギャングエイジは、特に高学年の子どもの発達の中で、先生や親よりも友だちを大事にして群れを成す時期のことを言いますので、子どもの発達の上で必要なものです。しかし、学習塾などによって子どもの遊びが奪われたり、ゲーム依存で友だちとの遊びが減ったりしてギャングエイジの時期に群れを成さない子どもが非常に多くなっています。子ども心理学ではこの経験がないと、孤独化して不登校やいじめの一因になるとされています。

子ども心理学を読み解く・小学生の心理・まとめ

子ども心理学を読み解いていきますと、小学生の子どもの成長に欠かせない要素がたくさんあることがわかります。一概に小学生と言っても、6歳から12歳という開きがありますが、それぞれの過程で学ぶべきことをしっかりと身に付けておくことが必要です。今の小学生もデジタル化された世の中で生き抜かなければなりませんから、子ども心理学上の成長における重要な要素を阻害してはなりません。