子どもが大人に甘えてくるのは、甘える相手が信頼できる相手、さらには好きな相手であることの証拠です。決して不健全な行動ではないため、子どもの気持ちを理解してしっかり対応することが大切です。そうすることで、子どもに安心感を与え健やかに成長させることができます。
子どもが甘えてくるシチュエーション別に、どういった心理からそのような行動を取っているのかを、以下に紹介します。
・抱っこ等のスキンシップを求めてくる。近くにいてほしいと言う。
・「なんで?」等と言って、としつこく質問してくる
・ワガママを言ってくる
・思い通りにならないと暴れる
・できることをわざと「できない」と言う
・弟や妹をいじめる
・「見て。見て」と大人の気を引こうとする
このような行動には、それぞれ甘える行動に至る心理があります。どのシチュエーションでも、子どものそういった心理を受け入れて、安心感を与えることが重要です。そして、きちんとした対応をしてあげることで、子ども自身の自己肯定感を向上させることにつながります。
目次
抱っこ等のスキンシップを求めてくる。近くにいてほしいと言う。
「抱っこしてほしい。」と言ってスキンシップを求めてくる時や、「そばにいてほしい。」と言ってくる時の甘えは、安心感を得たいという心理からです。肌と肌が触れ合うスキンシップは、子どもにとって最も安心感を得られるものです。そばにいてほしいと言っている時も時間が許す限り一緒にいてあげるほうがいいです。
また、このような行動は、甘える相手のことが大好きであるための行動でもあります。一緒にいてもらうことが嬉しいとも思っているため、きちんと子どもの気持ちに応えてあげることが望ましいです。
「なんで?」等と言って、としつこく質問してくる
子どもは大人の都合など考えないで、些細なことにも「なんで?」等と質問攻めをしてくることがあります。何度もこれが続くと、大人にとってはめんどくさくなるかもしれません。
しかし、このような時に、子どもの質問に応えなければ、子どもはさみしいと感じます。そのため、きちんと答えるまで何度も質問をしてくることがあります。
これは、子どもにとって信頼できる大人だからこそ、自分の知りたいという気持ちを満足させてほしいという心理からの行動です。そのため、しっかりと質問に付き合ってあげることが大切です。質問に答えられない場合は、一緒に調べたり、図書館に連れていく約束をする等の対応をしても大丈夫です。めんどくさいから突き放すといったことはNGです。
また、大人にしつこく質問をするのは、幼少における反抗期にみられる特徴です。そのため、これは健全に成長している証拠ともいえます。さらに、ずっと続く特徴でもないため、一時的なものと思ってしっかり対応することが大切です。
ワガママを言ってくる
子どもが自分でもいけないことだとわかっているにも関わらず、ワガママを言ってくるこどがあります。例えば、弟や妹の世話を親がしている時に、絵本を読んでほしいと言って、断られると泣き出すといった状況です。これは自分のワガママがどこまで受け入れてもらえるかのだろうかと愛情の確認をしたいという心理からの行動です。困ることもありますが、子どもの気持ちを理解し、むやみに叱らないで、時にはワガママを聞いたり、抱っこしたりして、子どもとの時間を作ってあげることが重要です。
思い通りにならないと暴れる
自分の思った通りにならないからといって、暴れてしまう子どももいます。これは信頼のできる心を許した親の前だからこそ、こういった方法で気持ちの整理をしようという心理からの行動です。子どもにとっては、どこにどう自分の気持ちをぶつけたらいいのかがわからない場合でもあります。このような時は、抱っこ等のスキンシップをして落ち着かせ、子どもの気持ちにまずは共感し、慰めたり、励ましたりするといった接し方をすることをおすすめします。
できることをわざと「できない」と言う
自分でできるにも関わらず、「できない」といって親の気を引こうとする子どももいます。これは、保護者にかまってほしいという心理からの行動です。日頃幼稚園や保育園といった集団生活の中で頑張っているから取る行動かもしれません。家に帰り、親を目の前にすると安心感が出てきて、甘えたいと思っているとも考えられます。このような場合は、甘えさせてあげることが大切です。
弟や妹をいじめる
弟や妹ができると、攻撃して意地悪をしてしまう子どももいます。これはヤキモチを焼いている心理からの行動です。
今までは自分だけの面倒を見てくれた親が、弟や妹に目を向けるようになることが単純に嫌ということです。また、周囲の大人も弟や妹に対して「かわいいね。」等と言って注目するようになることもあり、「自分をみてほしい」という気持ちが強くなっている可能性もあります。
このような場合は、大変なことですが、上の子どもとの時間も大切にして、きちんと見ているという気持ちを伝えてあげることが大切です。
「見て。見て」と大人の気を引こうとする
子どもが「見て。見て」と言って、自分ができるようになったことや、自分の描いた絵を大人に甘えることがあります。これは、その見てもらう相手のことが好きだからこその行動です。好かれている証拠であるため、きちんと子どもの相手をしてあげることが望ましいです。逆にこの時に冷たく対応すると、子どもは自分は嫌われたと思うこともあるため、少し注意する必要があります。
子どもが親等の大人に甘えるのは、甘える相手が信頼できる、安心できる相手だからです。また、甘える行動にはそれぞれきちんとした理由があります。子どもの気持ちを汲み取って甘えさせてあげることで、子どもに安心感を与えることができます。
また、甘えたいという気持ちが受け入れられることで、自分を認めてもらえたと感じ、自己肯定感が向上することにもなります。逆に甘えが受け入れられなければ、自分自身が受け入れられていないと感じ、自己肯定感が低下したり、不安になったりすることにつながります。子どもの気持ちを理解し、甘えさせてあげることは、子どもの成長のためには大切なことでもあります。