子どもの心理状態は不安定で、「こう言ってたじゃない!」「約束したよね。」などと親が子どもと交わした言葉を平気で裏切ってしまいます。親としてはそれを受け止めながらも心理状態を安定させてあげる努力をしなければなりません。叱ってばかりにならないように子育てをしていきたいものです。

子どもの心理状態は急変する

次のような事例があります。子どもの心理状態が一変した事例です。

その日は実家に泊まり朝気持ちよく目覚めて非常にいい心理状態で笑顔いっぱいで朝食を摂りました。祖父がいざ幼稚園バス乗り場に送りに行こうとしたときのことです。子どもが「幼稚園ぐつ」がないことに気づきます。泣き出しました。大泣きです。母親が家から実家に届けるのを忘れていたのです。「今日は、この靴で行って!幼稚園ぐつはあとでママが届けると言っているから。」と祖父が言っても全く聞かず「幼稚園に行かない!」と泣き叫びます。

ママや祖父にとったら「幼稚園に着いたら上靴に履き替えるし、格好のいい靴だし、一日ぐらいこれで行ってもいいじゃないか。」という思いです。しかし、子どもの心理状態は「みんなが履いていく幼稚園ぐつだ。自分だけそうじゃなかったら不安だ。」ということです。自分だけ格好悪いという思いはまだ持ちませんが、みんなと違うことがいやなのです。

子どもの心理状態の安定のために親ができること

・子どもと一緒に思い切り遊ぶこと

子どもは、親とともに過ごしたい、親とともに遊びたいという思いを持っています。特に幼少期には「親と遊ぶこと」で心理状態を安定させます。お正月など、日本の伝統的な行事のときなどには、親が子どものためにふさわしいイベントをしてあげることはありますが、最近の社会情勢から共働きが増加し、日常の子どもとの関わりが減ってきています。この日常の関わりの減少は子どもの心理状態に大きく影響しています。

親は子どもと遊ばなければいけません。多くの子どもアンケートで明らかになっていますが、子どもは親や先生という身近に関わる人のことを「こわいけど一緒に遊んでくれる人」を望んでいるのです。一緒に遊ぶということが子どもの心理状態を安定させるものになります。次のようなことで、子どもの心理状態に配慮をしている母親がいます。

『私には二人の子どもがいます。上のお姉ちゃんは幼稚園後実家の母親が迎えにいき、その後は実家で過ごしています。下の子は保育園で時間ぎりぎりまで過ごし、私が迎えに行っています。ですから日曜日以外は夜以降わずかな時間しか子どもと関わる時間がありません。子どもたちの心理状態を考えますともう少し触れ合っていたいのですが、今の家の事情を考えますとそうもいきません。

私が子どもの心理状態を考えて実践していることは「日曜日は思い切り私に甘えさせてあげること」です。できるだけスマホも持たず公園で過ごしたりキッズスペースに行ったりして過ごしています。その時心がけていることは「私も幼少の子ども目線(子どもになったつもりで)で遊ぶこと」です。我を忘れて一日遊びます。今、子どもたちの心理状態に問題がないのは、私の努力と子どもたちの理解があるからだと思っています。』

思い切り甘えさせてあげること、親も我を忘れて遊ぶことという、子どもの心理状態に非常に大切な実践をされています。このように、子どもの心理状態は、一緒に思い切り遊ぶことで安定します。

子どもの心理状態は親の影響を受ける

子育てにおいて、親がそれぞれの役割(父性や母性)を理解しあって接していくことは、子どもの健全な成長に欠かせないものです。このことが不十分で、例えば、両親が揃っているのに母親中心の家庭になってしまうと、子どもの心理状態に悪影響を及ぼします。また、心理相談でよくある事例で「親(夫婦)のコミュニケーション不足が子どもの心理状態に影響する」こともあります。

・褒めるということ

よく「褒めて育てることは重要だ」と言われます。それは、褒めて育てる親を子どもがまねて、感謝ややさしさという気持ちを持つようになるからです。さらには、褒めてもらうことで子どもの心理状態は自分に自信を持てるようになります。大人でも褒められればうれしいもの、子どもなら余計に積極性につながります。

子どもが親に求めていること

子どもの心理状態は親の過剰な愛情を求めているわけではありません。赤ちゃん返りの時期を過ぎると、次は自立です。子どもは欲しいものを手に入れたり、行きたい所に連れて行ってもらったりしたいという思いは持っていますが、過剰なことは求めていません。友だちがそうであるように、日曜日には時々遊んでくれる親、長期の休みには旅行に連れて行ってくれる親を求めています。児童期以降の子どもの心理状態は、友だち(人)と違うことを求めていないのです。ですから、子どもの心理状態を考えますと「親が子どもの欲求以上のことをしてはいけない」ということになります。

・イヤイヤ期

イヤイヤ期は、成長過程でどの子どもにも訪れる時期のことをいいます。「これしっかりと食べなさい。イヤ。」「出したおもちゃは片付けなさい。イヤ。」今までは親の言うことを聞いていた子どもが「イヤイヤ」と言い出します。これは、子ども心理学的にも自我の目覚めといわれる時期でもあり、この「イヤ」は子ども自身の意見なのです。乳児期から幼児期にかけて訪れるこの時期は非常に大切で、子どもの「イヤ」に続けて親が辛抱強く会話をしてあげることが大切です。「イヤ」「どうして」「イヤ」「おもちゃで遊んだら片付けるのよ」「イヤ」「じゃ一緒に片付けようか」「イヤ」・・・辛抱強く会話をすることを楽しんでいます。子どもの心理状態はこれによって安定します。

・赤ちゃん返り

赤ちゃん返りは、学齢期でも現われる子どもの心理状態です。親に二人目の子どもができたときなどに、上の子どもの心理状態は不安定になります。子どもは親の愛情を独り占めしたいですから、親が生まれてきた下の子どもを可愛がりすぎると上の子どもに赤ちゃん返りが起こります。このような赤ちゃん返りになった場合には、決して叱らずに、甘えるときには思い切り甘えさせてあげることが大切です。

子どもの心理状態の安定を目指すために親がすべきこと・まとめ

子どもの心理状態は、少しの刺激でよくなったり悪くなったりします。よい刺激が強ければ子どもは大きく育ちます。親は子どもが生まれてから子育てに邁進しますが、よい刺激を与えることで、親が望む子ども像に近づきます。揺れ動く世の中で、親として子どもの心理状態のことを考えて子育てをしていくことが大切です。