子育てや子ども教育に携わるアドバイザーの資格として、様々な種類の心理学カウンセラーがあります。保育士や学校教員の資格と比べて、比較的誰でも取得しやすいものもあります。子育ての経験を生かして、他の子育て世代や子どもに、心理的なアドバイス等をすることで支援することができます。

「子ども心理カウンセラー」、「チャイルド心理カウンセラー」、「チャイルドカウンセラー」、「児童福士司」、「育児セラピスト」、「チャイルドマインダー」といった資格があり、それらの概要を以下に紹介していきます。

子ども心理カウンセラー

子ども心理カウンセラーとは、子どもの心の発達や成長、家族や社会との関係等といった、子どもの人格形成、性格形成に関する総合的な知識を活かして、子育てや一般家庭での子ども教育にアドバイスをするインストラクターです。医学的、精神的な観点だけでなく、より様々な心理学からの観点を応用し、子どもの表情、言葉や声量から子どもへの適切な対応を模索することが求められてきています。

子ども心理カウンセラーの仕事として、まだ大人との会話が十分にできない就学前の幼児や、子どもが集団生活になじめないことで精神的に不安になっていることを、どのように親が察知し、解決するかのアドバイザーとしての役割があります。さらに、そうしたカウンセラーの存在を多くの人に知ってもらい、幼児教育、初期段階の集団生活への不安等を抱える親や子どもに対して、きめ細やかな心のケアを周知、助言することができます。

チャイルド心理カウンセラー

チャイルド心理カウンセラーとは、胎児期から乳児、幼児、学童、青年期までの、0歳から10代の子どもの成長に合わせた、子どもの心理状態を分析し、その親に子どもへの対応についてアドバイスをするメンタル・ヘルスアドバイザーです。

成長が早い子どもの時期は、身体面はどんどん成長していきますが、精神面や心理面もその成長についていけるとは限りません。例えば子育てにおいて、会話やコミュニケーションが不足しがちになることもあります。そして、他者との関りの中で不安やストレスを感じ、悩みに直面することになります。こういった状況の時に、チャイルド心理カウンセラーは、実際に親からの相談を募集し、様々なケースや事例を示して、適切で効果的なアドバイスをしていきます。

チャイルド心理カウンセラーの仕事は、幼稚園や保育園といった幼児施設だけでなく、進学塾や学習塾、学童保育施設等、様々な施設の中でカウンセラーとして活躍することができます。

チャイルドカウンセラー

チャイルドカウンセラーとは、悩みを抱えた子どもや、その親を支援するスペシャリストです。特に子どもとその親に対して心理面での支援をすることが求められています。子どもの心理や心の動きは、幼稚園や保育園といった園児と、小学校低学年世代や思春期等で大きく異なります。

・幼児期は自我が目覚める時期で、親と子どもとの関係性における心の変化が大きくみられる

・小学校低学年では、他人と自分という第三者のその精神に大きく影響を与える

・思春期では、自分と関わる対象が多くなり様々な心の変化がみられる。さらに、その変化は進路にも影響することがある

このように子どもは成長過程に応じて多くの心の変化がみられます。そのような変化を踏まえ、適切なアドバイスをすることで、相談者の問題解決を促す、重要な役割を担っています。

児童心理士

児童心理士とは、専門的に「児童相談所において心理学の専門的学識に基づく心理判定業務に携わる職員」のことを指します。児童福祉法第12条では、「児童相談所に配置されている心理分野の専門職員」と記載されています。療育手帳交付にあたっての心理判定業務をはじめ、子どもとその家族の相談に応じ、診断面接、心理検査や観察をすることで対象者の状況を評価します。その評価をもとに、適切な心理療法やカウセリング、助言指導などを行うことが、児童心理士の主な業務となります。

また、一時保護されている子どもに対して、児童福祉士や精神科医と連携しながら、心理療法を実施することもあります。

厚生労働省の児童相談所運営方針の改正により、2005年から心理判定員の名称変更で誕生した、新しい資格であります。

育児セラピスト

育児セラピストとは、発達心理学に基づく知識を学び「育児の専門家」として子育てに悩む一般家庭に対して、ベビーマッサージをはじめとする日常の子育ての中での、子どもとその親との関係を正しく指導するセラピストのことです。

セラピストとは、心理療法を応用して、医師のみでなく、理学療法士や鍼灸師といった専門職の中で、アロマセラピーやリフレクソロジー等の施術をマスターした専門職のように、医学的見地以外からの精神的ケアを専門とした職業を指します。

育児セラピストの資格は、育児の経験さえあれば、資格取得が比較的しやすいことも魅力であります。この資格を活かして、個人はもちろん、様々な幼児教育、保護施設で子育て世代の支援ができます。

チャイルドマインダー

チャイルドマインダーとは、少人数保育のスペシャリストです。チャイルドマインダーの仕事は、忙しい両親に代わって、必要な時間だけ自宅や訪問先の家庭で、子どもを預かり保育をすることです。働き方は様々な形です。自宅で勤務しながら出張という形で、各家庭の子育て支援をしたり、悩み相談を受けることもあります。

チャイルドマインダーは、きんねんイギリスで生まれた資格で、100年近い歴史があります。

チャイルドマインダーの資格を取得するには、特別な学歴は必要ありません。チャイルドマインダー資格が取れる通学講座や通信講座を受講し、検定試験や認定試験に合格することで資格が取れます。また、実技講習やスクーリングを受ける必要もあります。

 

子育てや子ども心理の知識は、生活の中で役に立つことも多く、勉強や学習もしやすい分野です。目的や生活環境に合わせて、資格取得を目指す人も少なくありません。

さらに、資格の勉強をする中で、とても興味深い内容も学ぶことが多いのも、これらの資格取得の魅力であります。

これらの資格の基礎となる子ども心理学やチャイルド心理に関する研究は、近年注目されつつあります。